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中央ニュース

2016/09/09

連載「測る、描く、守る」 第6回・ハザードマップを生かす

 8人もの尊い命が奪われた「平成27年9月関東・東北豪雨」から1年になります。この災害では、国土地理院は被災状況把握のための航空写真の緊急撮影に加え、ドローンにより鬼怒川の破堤箇所の動画を撮影・公開し、災害調査におけるドローンの有用性を確認しました。また、これを1つの契機に、今年3月にドローンによる測量を推進する「国土地理院ランドバード」を発足させました。一方では、避難の遅れや多数の孤立者が発生したことから、地域住民が災害リスクを事前に学習し、理解を深めておくことの重要性が指摘されました。

 このような災害時の避難や事前の防災対策に役立てていただくことを目的としたウェブサイトに国土交通省ハザードマップポータルサイトがあります。このサイトには、全国の市町村が公表している洪水や土砂災害などのハザードマップを閲覧できる「わがまちハザードマップ」と、浸水想定区域などのさまざまな防災に役立つ情報をシームレスな地図上に重ねて閲覧することができる「重ねるハザードマップ」があります。

 「わがまちハザードマップ」は、各市町村が作成するハザードマップ公開ページのリンク集です。各自治体の災害リスク情報を容易に検索・閲覧して、災害発生時の状況をバーチャル(仮想)に経験することができる有用なマップです。しかし、その一方では、大規模災害では一つの自治体だけで災害に対応することは困難だとして、近隣の自治体へ避難するいわゆる広域避難が重要との指摘もあります。

 そのためには「重ねるハザードマップ」を活用して、居住地の自治体に加え、近隣自治体の災害リスク情報などをあらかじめ確認しておき、行政区域を越えた避難計画や防災対策を検討しておくことが必要です。このマップは、浸水想定区域(浸水のおそれがある場所)、土砂災害警戒区域(土砂災害の危険がある場所)、事前通行規制区間(通行止めになるおそれがある道路)など、自分の知りたい防災情報を重ねることができ、大雨が降った際などには、避難ルートの検討にも役立てることができます。

ハザードマップには、さまざまな情報を重ね合わせることができる

国土交通省ハザードマップポータルサイト:http://disaportal.gsi.go.jp/

 いま、この瞬間に災害が起きたら、あなたはどう行動しますか?災害から生命や財産を守るためにも、災害が起こる前に、職場で、ご家庭で、あなたも国土交通省ハザードマップポータルサイトを活用してはいかがでしょうか。(国土地理院)

提供:建通新聞社