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2016/09/13

建設現場の生産性2割向上 国交省が目標数値

 石井啓一国土交通相は12日に初会合が開かれた政府の未来投資会議(議長・安倍晋三首相)で、2025年までに建設現場の生産性を2割向上させる目標を打ち出した。i−Constructionで先行的に直轄工事に導入した土工に続き、3年以内に橋梁・トンネル・ダムなどの工種にICT活用を拡大。地方自治体にもICT活用を促し、労働力人口の減少に伴う生産力の低下を回避する。石井国交相は「少ない人手でも従来と同レベルの建設投資にしっかりと対応する」と、生産性向上への意欲を示した。
 未来投資会議は「産業競争力会議」と「未来投資に向けた官民対話」を統合し、成長戦略の司令塔としての役割を担う。
 12日の初会合でテーマに挙がったのが建設現場の生産性向上。会合には、コマツの四家千佳史スマートコンストラクション推進本部長と日本建設業連合会の宮本洋一副会長が出席。自治体発注工事へのICT活用の普及、3次元データのオープン化、関連産業や産学官が連携したコンソーシアム設立などを求めた。
 国交省は4月から直轄事業に導入したICT土工を8月19日時点で110件で稼働させており、16年度末までの1年間で約720件を公告する予定。地域建設業や自治体を向けの講習会も全国約270カ所で開催する。
 建設現場の生産性向上は、i−Conで現場作業の高度化・効率化を図ることで工事日数を削減するとともに、ICT導入で中長期的な労働力の減少を補完することで実現。人・日当たりの技能労働者の仕事量を2割向上させる目標を打ち出す。
 石井国交相は、建設業が社会の安全・安心の確保を担う『地域の守り手』であるとした上で「人口減少や高齢化が進む中にあっても、(建設業が)これらの役割を果たすため、賃金水準の向上や休日の拡大などによる働き方改革とともに、生産性向上が必要不可欠だ」との考えを強調。
 建設現場の生産性を2割向上させるため、ICT活用の対象を橋梁・トンネル・ダムなどの他工種や維持管理分野に拡大するとともに、中小建設業に対する税制・金融支援策も講じる。
 また、公共事業の建設現場で得られる3次元データを一元的に収集し、3年以内にオープンデータ化することで、技術開発や新ビジネスの創出につなげる。
 ことし12月以降に立ち上げるコンソーシアムでは、生産性向上に向けた目標・ロードマップも策定する。
提供/建通新聞社