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2016/09/13

一括下請負 判断基準を明確化 9月末に通知 

 国土交通省は、実質的に施工に携わらない商社や販売代理店などを施工体制から排除するため、一括下請負の判断基準を明確化する。元請けと下請けがそれぞれ現場で「果たすべき役割」=表=を明確にし、元請けには全項目の順守を求める。下請けには、同じ工種の下請けと再下請負の契約を結ぶ際、現場作業に関する実地の技術指導や元請けとの調整などを必ず実施するよう求める。こうした考え方を土地・建設産業局長名の通知としてまとめ、9月末にも建設業団体に送付する。
 建設業法では、公共工事と共同住宅の新築で一括下請負を禁止している。その判断基準は、2001年に旧建設省の建設経済局長名の通知に定めているが、元請け・下請けで区別されていないなど、基準が不明確だった。
 基礎杭工事問題が起きた横浜市の分譲マンションの現場では、基礎杭の販売代理店であった企業が1次下請けとして施工体制に加わり、工事の主な部分を2次下請けに担わせた。
 中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会が6月にまとめた中間報告では、施工に実質的に携わらない企業が施工体制に加わったことが、施工に関する役割・責任を不明確にするなど、基礎杭工事問題を招いた一因になったとして、一括下請負の判断基準を明確化するよう求めていた。
 国交省は一括下請負の判断基準を示した土地・建設産業局長名の通知案をまとめ、12日にパブリックコメントの受け付けを始める。通知案では▽施工計画の作成▽工程管理▽品質管理▽安全管理▽技術的指導▽その他―の各項目で、元請け・下請けがそれぞれ果たすべき役割を記載。
 元請けに対しては、全ての項目で役割を果たしていれば、一括下請負には当たらず、現場に実質的に関与することになるとの考えを示した。下請けについては、全項目の順守は求めていないものの、同じ業種の業者間で再下請負の契約を結ぶ際に一括下請負に抵触する恐れが高いとして▽現場作業に関する実地の技術指導▽元請けとの調整▽下位の下請けからの協議事項への判断・対応―の3点を行うことを「必須」とした。
 同省は、9月26日まで行うパブリックコメントの内容を反映させ、早ければ9月末にも建設業団体や建設業許可行政庁に通知を発出する。
提供/建通新聞社