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中央ニュース

2016/10/07

連載「測る、描く、守る」 第8回・大切な「GKK」の視点

 皆さんは、「測量」という仕事に、どのようなイメージをお持ちでしょうか?町中の工事現場などで技術者が機械をのぞき込んでいる情景を最初に思い浮かべた人も多いと思います。普段行われている測量では、機械をのぞき込んで位置を測ったり、飛行機から撮影した写真を使って地図を作ったりしますが、最近ではドローン(UAV)などの新技術を取り入れる動きも活発です。

 しかし、技術が進歩し、より高度な情報が得られるようになっても、それが実際に活用されなければ私たちの暮らしは便利になりません。災害時に「こんな情報が整備・公開されているとは知らなかった」というのでは、安全・安心にもつながりません。このため、国土地理院では、技術(G)だけでなく、広報(K)や教育(K)の視点も大切にし、測量の意義やその重要性を知って頂き、測量技術のさらなる向上に取り組んでいく「GKK」活動を実践しています。

 「技術」(G)―測量の本質は技術です。より良い測量結果を提供するためには、ドローンや3Dの画像処理技術など常に最新の技術を理解し、測量のプロセスに円滑に取り込んでいくことが求められます。

 「広報」(K)―高い技術で得られた情報を皆さんに知って頂くためには、その内容を分かりやすく伝えるための広報活動が重要です。例えば国土地理院では、さまざまな分野の専門家から意見を聴くとともに、携帯型パンフレットの作成や学校への出前講座・授業などの取り組みを行っています。また、測量関連の団体と協働して、測量の仕事の魅力をPRするリーフレットを作成するなど、業界全体で広報活動を推進しています。

 「教育」(K)―地図は生活や防災に関係するさまざまな情報を満載しています。これをうまく活用するには、子どもの頃からの教育を通じて、地図などの情報としての価値やその使い方を理解し、実際に使うことのできる力を身に付けておくことが大切です。国土地理院では、高校教育での地理必修化の動きなども踏まえ、「教える」「学ぶ」の両面から、地理教育を支援するための活動を行っています。

「学校へ行こうプロジェクト」は、地理教育の実践の一つだ。(浜松市立与進小学校で)

 このコラムもそうしたGKK活動の一環です。次回以降も地理空間情報が読者の皆さまに身近な情報であり、また建設業にとっても関係性が深く、ますます不可欠な情報となっている状況を説明していきます。(国土地理院)