トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2016/10/21

連載「測る、描く、守る」 第9回・「位置」を知る、活用する

 土木工事などを施工する際に必要な測量は、構造物の出来形を左右する最も基本的な工程です。近年は、衛星測位(GPSなど)を使った測量で、簡単に位置を求め、地図上に表示することができるようになりました。昔と今とでは使う測量機器が違うにも関わらず、地図上に同じ位置を表示することができるのは、位置を表す共通の基準があるからです。その基準は、測量法によって「位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する」と決められています。基準の原点は、経緯度(水平位置)が「日本経緯度原点」、高さ(標高)が「日本水準原点」です。では、原点の経緯度や高さをどのようにして求めているのでしょうか?
 
 日本経緯度原点の経緯度は、宇宙の彼方にある天体から届く電波を観測するVLBI(超長基線電波干渉法)という測量を国際共同の下で行っています。VLBIで得られる経緯度は、国際的に統一された世界測地系を使って表わします。一方、日本水準原点の高さは、東京湾の平均海面を標高0メートルと定めた値として求めています。これは日本独自の基準です。平均海面は地球の自転や潮汐の影響を受けるため、海面を長い年月連続的に観測し、潮位の変化を平均して求めています。

 国土地理院はこの2種類の原点に基づき、全国に約1,300点ある電子基準点および約13万点ある三角点の経緯度、約1万7,000点ある水準点および電子基準点の標高を定め、その成果を公表、管理しています。これらの基準点は、全国各地でさまざまな測量を行う際に「原点の代わりとなる点」として利用されています。

石岡測地観測局のVLBIアンテナ(左)、電子基準点(中央)、三角点(右上)、水準点(右下)
<石岡測地観測局のVLBIアンテナ(左)、電子基準点(中央)、三角点(右上)、水準点(右下)>

 平成28年(2016年)熊本地震では、電子基準点や地球観測衛星「だいち2号」のデータの解析から、広範囲の地面が大きくずれ動いたことが判りました。このような時は、その地域の基準点の経緯度と標高も変わるため、迅速に正しい基準点成果に変える必要があります。熊本地震では、最初に毎日観測している電子基準点の基準点成果を更新し、続けて三角点と水準点の測量をやり直して、地震後の基準点成果を公表、提供しました。

 最近では、スマホなどに搭載されたGPSで自分の位置を地図に表示する機能を活用したゲーム「PokemonGO」が人気となっています。読者のみなさんには、これまで以上に「位置」を身近に感じ、活用していただければと思います。(国土地理院)