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2017/02/02

技能労働者5万人減 若年入職は増加

 総務省が発表した2016年の労働力調査で、建設業就業者のうち、技能労働者が前年比5万人減の326万人に減少したことが分かった。2年連続で前年を下回ったことになる。技能労働者数は、建設投資が回復基調に入った11年から4年連続で増加していたが、再び減少傾向に入ったことが鮮明になった。ただ、年齢階層別では、29歳以下の若年層が37万1000人で前年より1万4000人増加している。
 国土交通省が16年の労働力調査の結果をもとに技能労働者数を算出した。技能労働者数は、1997年に455万人でピークを迎えたが、2010年には331万人まで減少。11年以降は4年連続で増加し、14年に341万人まで回復したものの、15年に10万人減の331万人、16年に5万人減の326万人と2年連続で減少した。
 ただ、技能労働者数を年齢階層別に見ると、55歳以上の高齢者層が1万2000人減の110万7000人になったのに対し、29歳以下の若年層は1万4000人増の37万1000人だった。建設就業者全体に占める29歳以下の割合も0・6ポイント増の11・4%に高まった。
 若年層が増加した背景には、建設投資が増加基調にあることに加え、若年層を対象とした職業訓練の充実、公共工事設計労務単価の引き上げなどの効果が出たとの見方もある。ただ、中堅・高齢層も含めた建設業全体の技能労働者が今後減少することは避けられず、他産業に劣る休日の確保、長時間労働の是正といった働き方改革で一層の処遇改善を図るとともに、生産性向上で現場の省人化を急ぐ必要がある。

提供:建通新聞社