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2017/03/22

2017年地価公示 全用途で2年連続上昇

 国土交通省は3月21日、2017年地価公示を発表した。全用途の平均は2年連続で上昇し、住宅地は9年ぶりに下落を脱して横ばいに転じた。商業地は2年連続の上昇。工業地は総じて底堅く、3大都市圏を中心に需要が回復し、高速道路インターチェンジ(IC)周辺など物流施設の建設適地の需要が旺盛だ。
 公示価格が最も高いのは、住宅地が東京都の「千代田―3(六番町6ノ1外)」で1平方b当たり375万円。2位が「港―4(赤坂1ノ14ノ11)」の同368万円、3位が「港―29(白金台3ノ16ノ10)」の同310万円。
 商業地では1位が東京都の「中央5―22(銀座4ノ5ノ6、山野楽器銀座本店)」で1平方b当たり5050万円。2位が「中央5―41(銀座5ノ4ノ3、対鶴館ビル)」の同4300万円、3位が「中央5―29(銀座2ノ6ノ7、明治屋銀座ビル)」の同3700万円と、銀座中央通り沿いの地点が並んだ。
 工業地で最も高いのは東京都の「大田9―2(東海2ノ1ノ2)」で1平方b当たり56万円。以下、「江東9―4(辰巳3ノ8ノ2)」の同53万円、「江東9―3(佐賀2ノ10ノ13)」の同42万2000円と、10位まで東京都内の地点が続く。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)や東京外かく環状道路整備の進展により、物流施設の需要が強まっている。
 用途別の変動率上位地点をみる。
 【住宅地】低金利環境や住宅ローン減税などの施策により底堅く推移している。東京圏が4年連続で小幅に上昇し、大阪圏は昨年の小幅な上昇から横ばいとなった。名古屋圏は4年連続で小幅な上昇。地方圏は下落を続けているが、下げ幅は縮小傾向。
 上位10地点のうち7地点が宮城県仙台市。地下鉄東西線の開業で駅周辺での住宅地需要が旺盛だ。5位に東京都の「港―16(南麻布4ノ19ノ1)」の10・9%が入った。
 愛知県長久手市、豊田市、広島県府中町などの上昇率も高い。自動車産業の業績好調が背景にある。
 【商業地】外国人観光客の増加などで店舗やホテル需要が引き続き高まっている他、再開発事業の進展などで全国平均が上昇した。東京圏と大阪圏で4年連続上昇し、上げ幅を昨年より拡大した。名古屋圏も4年連続の上昇だが上げ幅は縮小。地方圏は下落を続けながらも下げ幅の縮小傾向を継続している。
 変動率の上げ幅が大きかったのは大阪市。道頓堀(41・3%)、宗右衛門町(35・1%)、小松原町(34・8%)、心斎橋筋(33・0%)、茶屋町(30・6%)が1〜5位に並ぶ。なんば駅周辺は外国人観光客の増加に伴う新規出店需要が強く、周辺部ではホテル用地の需要も旺盛だ。
 6位が京都市の「東山5―7(四条通大和大路、豊田愛山堂)」で29・2%、7位が「名古屋中村5―22(名駅2ノ36ノ10、松岡第二ビル)」の29・0%、8位が東京都の「中央5―2(銀座6ノ8ノ3、銀座尾張町TOWER)」の29・0%。
 【工業地】東京圏は4年連続、大阪圏と名古屋圏は2年連続で上昇した。地方圏は下落を続けているが下げ幅の縮小傾向が続く。地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では4年連続上昇した。
 高速道路周辺地点の上げ幅が大きい。変動率上位は、圏央道の整備で広域アクセスが向上した埼玉県「入間9―1(宮寺字宮ノ台4191ノ1外)」(10・3%)が1位。3位の千葉県「船橋9―5(潮見町20ノ3)」(8・5%)は、17年度に外環道が供用される予定。4位に埼玉県「東松山9―1」(8・5%)、6位に神奈川県「神奈川寒川9―1」(7・5%)、8位に神奈川県「厚木9―1」(7・4%)などIC付近の地点が上位に入った。2位の沖縄県「糸満9―1(西崎町5ノ8ノ7外)」(9・3%)では都市モノレールの延伸が予定されている。
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 地価公示法に基づき国土交通省土地鑑定委員会が標準地を選定し、毎年1月1日の正常価格を判定し公示する。全国2万6000地点を選定、確認し、分科会などの議論を経て鑑定評価した価格に基づいて判定した。

提供:建通新聞社