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2017/10/03

総合評価には低入札調査 失格基準併用を

 国土交通省と総務省は9月29日、一部の地方自治体が総合評価方式の適用工事に最低制限価格を導入していることを問題視し、総合評価による入札で低入札価格調査制度を運用するよう、全国の自治体に要請した。地方自治法施行令では、総合評価に最低制限価格の設定を認めていないため、調査基準価格と「失格基準」を併用し、適切にダンピング対策を講じるよう求めた。また、失格基準の価格水準を調査基準価格に近づけ、適正な施工に懸念のある建設業者の排除に実効性を確保することも併せて求めた。
 地方自治法施行令では、総合評価方式の適用工事でのダンピング対策には、低入札価格調査制度を採用する規定がある。最低制限価格では、総合評価で提出された技術提案が技術・価格面で優れていても、最低制限価格を下回れば一律に失格になるためだ。
 ただ、一部の自治体が総合評価の適用工事に最低制限価格を設定し、価格・技術点で優れた応札者であっても最低制限価格を下回ったため失格にしていたことが会計検査院の指摘で分かった。
 こうした実態を踏まえ国交省と総務省は9月29日、入札契約適正化法に基づき、土地・建設産業局建設業課長と自治行政局行政課長の連名で、総合評価で適切なダンピング対策の実施を求める通知を発出。この中で、総合評価の適用工事には最低制限価格を設定できない、という自治法上の解釈を改めて周知し、低入札価格調査制度の導入を前提に適切なダンピング対策を講じることを要請した。
 具体的には、総合評価の適用工事で低入札価格調査制度の活用を徹底し、一定価格を下回る入札を失格とする「失格基準」の併用を求めた。調査基準価格を下回った入札を対象とする失格基準には、積算内訳の各経費項目が一定割合を下回った場合に失格とするケース、過去の類似工事の成績から経験的に得られる基準を下回るものを失格とするケースなどがあるという。
 通知では、失格基準を調査基準価格に近づけて適正な履行を確保することを求める一方、一部の自治体にみられる調査基準価格と失格基準を同額としないよう求めている。
 また、入札参加者からの資料提出やヒアリングなどで工事の施工体制を評価し、加算点を与える「施工体制確認型総合評価落札方式」の採用も促している。
 国交省では、今回の通知について、今秋の「ブロック監理課長等会議」などで各都道府県に説明し、法令に沿った適切なダンピング対策を講じるよう働き掛ける。

提供:建通新聞社