国土交通省は、2018年度から2級技術検定(学科試験)を全6種目で年2回実施することを決めた。2級学科試験は17年度から土木・建築の2種目を先行して年2回実施しているが、電気工事・管工事・造園・建設機械の4種目に対象を拡大する。受験機会を広げて若年層の資格取得を促し、建設業への入職を促す試みだ。いずれの種目も18年3月から1回目の受験申し込みを受け付ける。18年度試験の受験手数料は前年度と同額とする。
技術検定の学科試験は、06年度から高校3年時、16年度から高校2年時に受験できるようになり、全受験者に占める18歳以下の割合は10・3%(16年度)と、高校在学中の受験が定着してきている。
実地試験の受験には実務経験が求められるため、資格取得には至らないものの、高校在学中の学科試験合格は建設企業に就職する動機付けになり、若年層の入職促進への効果が期待できる。
国交省は、これまで年1回だった学科試験を年2回実施してさらに受験機会を拡大し、若年層を建設業に呼び込みたい考え。16年度に先行して年2回化された2級建築(種別・建築)では、受験予定者数が前年度比10・2%増の2万2460人となり、このうち学科試験のみの受験者数は1万1639人(46・6%増)と初めて1万人を超えた。
受験者数の増加を受け、18年度は土木・建築の年2回化を継続するとともに、電気工事・管工事・造園・建設機械の残る4種目にも拡大する。1回目の試験は18年6月、2回目は同年11月(土木は同年10月、建設機械は19年1月)に実施する。6月の1回目の試験に不合格となっても2回目の受験申し込みに間に合うよう、1回目の合格者は7月(建設機械は8月)に発表する。各種目の詳細な日程は今年12月に官報に掲載する。
2級土木は、土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3種別のうち、土木のみが年2回化の対象となる。2級建築の学科試験は、18年度試験から建築・躯体・仕上げの3種別を共通問題で行う予定。
年2回化により、2年時から受験できる高校生は、卒業までに学科試験を最大4回受験できるようになる。高校生を主なターゲットとしているものの、既に建設業に従事する社会人も年2回受験することができる。
提供:建通新聞社