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2017/11/27

除雪業務 契約条件で発注者間にバラツキ

 全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)が、豪雪地帯の道府県建設業協会と会員企業に対して除雪業務に関するアンケートを行ったところ、契約条件のうち契約年数について、国土交通省は約半数が複数年度契約を採用していたが、地方自治体はほとんどが単年度契約だった。契約条件ではこの他の項目でも発注機関によって違いが目立った。契約年数に関して業界からは、設備投資などを理由に複数年度契約を望む声が上がっている。また、担い手確保に関して8割が懸念を示した。
 契約年数では、国交省の発注機関のうち48%が複数年度契約、44%が単年度契約だった。一方、道府県の97%、市町村の96%が単年度契約。業界からは、除雪機械への設備投資▽オペレーターの確保・教育▽障害物の確認など作業効率―などの面から複数年度契約を求める意見が出た。
 契約方法では、国交省では総価契約が69%を占めたのに対して、都道府県の74%、市町村の90%が単価契約だった。
 単価契約に関して業界からは、「経費込みの単価契約では、稼働時間が少ないと機械の維持経費も捻出できない。保有機械に応じて最低保障料金があるとよい」という意見や、「市町村では単価が安すぎる」という指摘があった。総価契約についても「除雪作業量増に伴う経費率の変動により出来高が減少する。諸経費率低下を防ぐ積算方式の検討が必要」という意見があった。
 支払い条件で国交省は、「完成払のみ」とするものから、前払金や部分払のあるケースを含めバラツキのある結果になった。一方、都道府県と市町村では「毎月払」と「完成払のみ」の割合が高かった。また、東北では前払金が見られ、北陸では毎月払が主体、近畿・中国では完成払が主体と、地域差が大きかった。
 業界からは前払や、支払までの期間の短縮を望む声が上がった。
 受発注者間の連携など体制整備については55%が「整備されている(問題なし)」とする一方、33%が「不十分(問題あり)」と回答した。ブロック別では、北海道と中国地区で「不十分」とする回答が4割を超えた。
 除雪機械の過不足については、49%で「不足はみられない」ものの、45%で「不足することがあった」。不足の状況は中国で7割、関東で6割と高かった。
 除雪業務の実務上の課題に関して、積算と実態との乖離(かいり)を聞いたところ、いずれの発注機関についても、「待機料」と「機械維持管理費の乖離」が大きいとする回答が多かった。
 除雪業務を継続(体制維持)していく上で重要な取り組み(複数回答)では、「担い手の確保・育成」が82%、「企業維持のための公共事業量の確保」が66%を占めた。具体的には、単価のアップや大型・大型特殊の免許取得への補助を求める意見が出た。また、「公共事業の減少に伴い本業を縮小する中で、除雪従事者の確保は困難。5年後には確実に不足する」という指摘もあった。

提供:建通新聞社