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中央ニュース

2017/11/30

ICT施工 中小支援策を強化

 国土交通省は、建設現場にICTを活用する中小建設企業への支援策を強化する。地方自治体発注のモデル工事を実演型で支援する「i−Construction普及加速事業」で、ICT導入コストの負担を軽減できる補助金の情報を提供する他、中小建設業が受注する小規模なICT土工でも採算がとれるよう積算基準を見直す。3次元データ作成に不慣れな受注者に対する地方整備局のサポート体制を充実させたり、発注者による3次元設計データの作成・提供への支援も始める。
 i−Conのトップランナー施策として16年度にスタートしたICT施工は、直轄の土工・舗装・浚渫の3工種で実施中。実施件数が最も多い土工は、17年度に入って公告した965件の58%に当たる559件でICT土工を実施している(いずれも10月末時点)。
 初年度の16年度の公告件数に対する実施件数の割合は37%で、ICT施工を希望する受注者の割合は17年度に入って大幅に増加している。ICT施工を希望しない40%強の企業もICT施工を選択できる環境を整備し、建設現場の生産性をさらに高める。
 i−Construction普及加速事業は、自治体発注のモデル工事の現場に専門家を派遣し、受注した中小建設業にICT活用による施工の効率化を指導するもの。国交省は支援対象となる自治体を拡充する他、モデル工事の受注者などに、ICT建機や解析ソフトの導入に活用できる中小企業庁の補助金の情報を提供。補助の申請方法なども指導する。
 ICT土工では、施工規模に関わらず一律に積算基準を定めているため、規模の小さい工事ほど採算が合わないという指摘がある。ICT建機の使用割合や日当たり施工量の実態を踏まえ、小規模土工の積算基準と実勢価格との乖離(かいり)を埋める。
 多くの事業では、設計成果が2次元であるため、ICT施工の受注者は自社で3次元設計データを作成するか、外注しなくてはならない。地方整備局の技術事務所などの3次元データ作成のサポート体制を充実させる他、発注者が3次元データを作成し、ICT施工を未経験の企業に提供する支援も開始する。
 現場の技術者が3次元データ作成に関する研修に参加しやすいよう、主任・監理技術者の現場専任に関する通知を改めて周知したり、研修の参加費用に対する支援措置も検討する。

提供:建通新聞社