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2018/01/24

住宅団地の高齢化率 今後10年で急上昇

 国土交通省が行った実態調査で、1975年以前に入居を始めた住宅団地の居住者の高齢化率が、2030年に全国平均を大きく上回る40%前後に上昇する見通しであることが分かった。同じ調査では、既に現状として、住宅団地のある市区町村の約半数が高齢化率の高さを問題視している。今後10年で居住者の高齢化率が急速に進み、空き家や空室が増えれば、老朽化が進む全国の住宅団地再生の障壁になる恐れも高まる。
 住宅団地は、UR都市機構や民間が宅地開発によって建設した集合住宅や一戸建て住宅。国交省の調査では、敷地面積5f以上の敷地に建設された住宅団地は全国に2886団地ある。
 国交省は、都道府県・市区町村を通じ、2886団体のうち敷地面積100f以上の496団地の実態を調べた。調査結果によると、2015年時点の居住者の高齢化率は昭和40年代(1965〜74年)に入居を開始した住宅団地が28・7%、昭和50年代(75〜84年)が26%で、全国平均(26・6%)と大きく変わらない。
 一方、2030年時点の高齢化率を推計すると、全国の高齢化率が31・2%であるのに対し、昭和40年代に入居を開始した住宅団地では38・9%、昭和50年代では40・3%と、高齢化率が急速に進展している。さらに、2040年には昭和40年代が45・9%、昭和50年代が47・3%まで高齢化率が上昇する見通しだ(全国平均35・3%)。
 住宅団地の居住者にも、高齢化に対する問題意識は広がっており、行政・事業者と連携し、高齢者向け支援、若年世帯の転入促進、空き家・空き地利活用などに取り組んでいる住宅団地が多い。国交省は、こうした動きを地方自治体を通じて支援したり、建築規制を緩和することで、住宅団地の再生を後押しする考えだ。

提供:建通新聞社