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2018/02/08

技能労働者の高齢化進行 若年層は横ばい

 国土交通省の推計で、建設業に従事する2017年の技能労働者数が前年比5万人増の331万人と3年ぶりに増加した。年齢階層別では、55歳以上の高齢者層が2万3000人増加する一方、29歳以下の若年層が5000人減とわずかに減少。若年層の入職者数や定着率は別の統計で上昇傾向にあるものの、高齢化がそれを上回る勢いで進んでいる。
 総務省の労働力調査の建設業就業者数をベースに国土交通省が技能労働者数を推計した。技術者、営業部門、管理部門を含めた17年の建設業就業者数は6万人増の498万人と、3年ぶりに増えた。
 17年の技能労働者数は1990年以降で最低だった前年を5万人上回ったものの、ピーク時(97年、455万人)と比べると124万人の減となる。年齢階層別では、65歳以上が47万9000人で、前年まで最多だった40〜44歳を抜き、全ての年齢階層で最も技能労働者数が多くなった。55歳以上の高齢者層は113万人と全技能者の34・1%を占めている。
 一方、29歳以下の若年層は36万6000人で前年から5000人の減少。建設就業者全体に占める全ての技能労働者に占める29歳以下の割合は4ポイント減の11%に低下した。
 製造業や全産業でも、就業者に占める高齢者層の増加は建設業と同様に進んでいる。60歳以上の高齢者層は10年後にその大半が引退することが見込まれるため、若年入職者の確保・育成に加え、高齢者層からの技術・技能の承継が喫緊の課題になっている。

提供:建通新聞社