トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2018/02/21

適正な工期設定 実効性確保へ指針改訂

 政府の「建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」が2月20日に開かれ、昨年8月に同会議で申し合わせた「適正な工期設定等のためのガイドライン」を改訂する方針を確認した。適正工期を設定する上での課題や受発注者の声を反映し、ガイドラインの実効性を高める。改訂とともに、公共工事では週休2日工事の大幅な拡大と、実態に沿った経費補正を実施。各省庁の補助金を受ける民間工事では、速やかに補助金の交付を決定し、余裕ある工期設定を促す。民間発注者に対し、公共工事設計労務単価の活用も働き掛ける。
 ガイドラインは、建設業に時間外労働の上限規制が適用されることを見据え、昨年8月に関係省庁連絡会議で申し合わせたもの。公共・民間工事の受発注者に適正工期の設定を促し、上限規制に抵触するような長時間労働を是正するよう求めている。
 国土交通省は、ガイドラインの浸透と実効性の確保を目的に、住宅・不動産、鉄道、電力、ガスの4分野の受発注者に対する実態調査を実施。調査によって、「施主が定める販売時期や供用開始時期」(住宅・不動産)、「列車の運行時間帯の回避」(鉄道)、「夏・冬の需要ピーク期間での施工回避」(電力)などが、適正工期の妨げになっていることが明らかになった。
 さらに、各分野で共通する課題として▽自然条件▽施工現場の立地条件▽不可視部分(地盤、地下水位、躯体の強度不足)のリスク▽法令・補助金の制約―なども挙げられた。
 連絡会議の議長である野上浩太郎内閣官房副長官はこうした課題を踏まえ、ガイドラインの改訂に向け「国交省を中心に省庁横断的な検討、調整に着手すること」を指示。建設業法をはじめ、関連する法制度の改正を検討することも求めた。
 野上官房副長官はまた、ガイドラインの改訂とともに、公共・民間工事の双方での対策の強化も指示。具体的には、各省庁の直轄工事で週休2日工事の件数を拡大するとともに、週休2日に伴う費用負担に配慮した間接経費の割り増し補正を行う。債務負担行為を活用した施工時期の平準化にも取り組む。
 民間工事のうち、補助金を受ける工事では、交付決定の遅れや年度末の執行期限が工期を圧迫するため、迅速な交付決定と繰越制度の活用に努める。各省庁が所管する業界団体を通じ、労務単価の活用、社会保険未加入業者の排除、建設業退職金共済制度の普及などを各民間発注者に働き掛ける。

提供:建通新聞社