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中央ニュース

2018/03/01

直轄事業で地域企業活用 調査・設計業務

 国土交通省は、直轄の調査・設計業務に地域企業を活用する方針だ。直轄の全業務に占める地域企業(建設コンサルタント、測量、地質調査)の受注割合は34・3%で、複数の地方整備局で受注実績のある広域企業の受注実績を大きく下回る。災害発生時の体制を確保するためにも、業務特性に応じて適切な地域要件を設けたり、直轄の受注実績のない企業を対象とする「チャレンジ型」を試行し、地域に精通した企業に配慮した入札契約手続きを試みる。
 国交省が集計した直轄の調査・設計業務の受注実績(15年度)によると、複数の地整で受注実績がある広域企業は全業務の65・7%に当たる5116件、それ以外の地域企業は34・3%の2669件を受注している。
 直轄の調査・設計業務では、競争参加資格として「地域要件」(地域内における本店・支店・営業所の有無)、総合評価の技術評価項目として「地域精通度」(地域内の企業・技術者の同種・類似実績の有無)を設けている。
 ただ、プロポーザル・総合評価方式の運用ガイドラインでは、プロポーザルに地域要件を設けることを原則として認めておらず、総合評価での地域要件も「必要に応じて」設定すると記載。地域企業の受注実績を発注方式別に見ると、プロポーザルが102件、総合評価が1056件、価格競争が1511件と、結果的に価格競争が占める割合が高くなっている。
 国交省は、首都圏に集中している広域企業のみでは、災害発生時の迅速な復旧対応が困難だとみて、直轄事業で地域企業の受注に配慮した入札契約手続きを行う。地域企業の担い手を確保する狙いもある。
 入札不調の発生など地域の実情に配慮した地域要件の設定に加え、近畿地整の「チャレンジ型」を他の地整で試行することも検討する。近畿地整が16年度から試行しているチャレンジ型は、過去4年間にわたって直轄の受注実績がないことが参加要件で、本社所在の地域要件も設けている。17年度は測量業務にも試行対象を拡大している。

提供:建通新聞社