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中央ニュース

2018/03/08

大規模構造物にCIM 詳細設計で原則化

 国土交通省は、2018年度に発注する大規模構造物の詳細設計で原則としてCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を適用する。将来的には、全ての大規模構造物にCIMの適用を原則化することを視野に入れる。18年度には、設計者によるCIMモデルのオンライン電子納品、関係者によるクラウド上での3次元データ共有も試行。電子成果品を効率的に共有、利活用できる環境整備にも乗り出す。
 直轄事業で17年度にCIMを活用した工事は72件、業務は54件。これまでは、関係者間協議などに限られていたCIMモデル活用の範囲を契約図書や数量算出、受発注者間のデータ共有などに活用に広げるため、18年度から対象工事・業務を拡大する。
 国交省は、3月6日に開いたCIM導入推進委員会で、大規模構造物の詳細設計を原則としてCIMの対象とする方針を示した。大規模な橋梁・トンネル・河川構造物・ダムの詳細設計は、受注者がCIMを適用できる形で発注する。
 受注者には、CIMモデルの将来的な運用を見据え▽契約図書化▽関係者間の情報連携・オンライン電子納品▽属性情報の付与▽数量・工事費・工期算出―といった「要求事項(リクワイヤメント)」の検討を求める。要求事項の実施に必要なソフトウエアの開発要望などを「技術開発提案書」として提出することも求める。
 CIMモデルを効率的に共有・利活用できる環境も整備する。現在は受注者がCD−Rで納品しているCIMモデルは、18年度にオンライン上で電子納品する試行を実施し、「電子納品・保管管理システム」への格納を効率化する。施工段階の関係者(発注者、設計者、測量・調査者、施工者など)がクラウド上でCIMモデルを共有しながら事業を実施する環境も整備する。CIMモデルなどの電子成果品を検索・ダウンロードできるシステムも構築する。
 18年度に建設業団体やベンダーを集め、システムの機能要件を整理する。19年度のシステム開発、20年度の運用開始を目指している。

提供:建通新聞社