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2018/03/16

3月に多い時間外労働 工期平準化が課題

 時間外労働の実態について全国中小建設業協会(全中建、豊田剛会長)が会員企業にアンケートしたところ、最も時間外労働の多い年度末の3月に40時間以上の時間外労働があった社員のうち22・4%が、働き方改革関連法で今後上限となる月100時間を超えていた。141時間以上の社員も16・4%いた。建設業の働き方改革での工期平準化の重要性が浮き彫りになった。
 調査は2017年10月から11月にかけて、担い手3法の浸透状況や社員の採用状況などとともにアンケートしたもの。調査対象は約2240社。有効回答は720社(回答率32・1%)だった。
 今国会に提出される働き方改革関連法案では、施行後5年の猶予期間を経て建設業にも適用する時間外労働の罰則付き上限規制で、時間外労働の上限を年720時間以内▽単月100時間未満▽2カ月ないし6カ月平均で80時間以内―などとする。
 全中建の今回の調査結果では、直近1年間で最も時間外労働が多かった月は3月で、回答があった会社で延べ2164人が40時間以上の時間外労働を行っていた。時間外労働の実際の時間は「40時間以上60時間以内」が最も多い52・8%(1141人)だった。「61時間以上80時間以内」が17・6%(380人)で次いだ。
 一方、101時間以上も22・4%(484人)を占め、内訳は「101時間以上120時間以内」が3・5%(75人)、「121時間以上140時間以内」が2・5%(55人)、「141時間以上」が16・4%(354人)だった。
 直近1年間の時間外労働については、75・2%が360時間以下だった。働き方改革関連法で適用される上限である年720時間を超える割合は2・3%にとどまった。
 時間外労働の発生原因(複数回答)では、「雨天などの自然条件」が34・1%を占めた。次いで「発注条件確定の不備」(20・4%)、「工程管理の不備」(18・0%)が多かった。
 発注者レベルでの時間外労働の削減対策(複数回答)では、「事前協議などの綿密化」(23・8%)を筆頭に、「適正工期の発注」(18・5%)、「労務単価の引き上げ」(16・9%)、「発注の平準化」(16・6%)を求める声が多かった。
 アンケートでは週休2日制への取り組みについても聞いた。
 現状では「4週5休」が最も多く45・4%を占めた。「4週7休」が18・5%、「4週6休」が3・6%で、「4週8休」は2・6%しかなかった。工事の工程による「年間カレンダーで実施」という回答も29・9%あった。
 週休2日の課題(複数回答)については、「現場の自然環境」が37・6%で最も多く、「発注の平準化」と「工期の平準化」がいずれも19・6%で次いだ。「人手不足」も14・0%あった。

提供:建通新聞社