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2018/05/28

設計者選定にマニュアル 国交省、都道府県

 国土交通省と都道府県・政令市でつくる「全国営繕主管課長会議」は、公共建築発注者が設計者選定のマニュアルとして使用できる『建築設計業務委託の進め方』を作成した。最適な設計者を地方自治体が選定できるよう、プロポーザル方式・総合評価落札方式・価格競争の手続きを解説。市町村で採用の少ないプロポーザル方式について重点的に記述し、技術提案が提出者の負担とならないよう、提出枚数を制限したり、視覚的表現の許容範囲を定めるよう求めている。
 2017年1月の社会資本整備審議会の答申「官公庁施設整備における発注者のあり方について」を受け、公共建築工事の発注者が透明性・公平性を確保し、各工事に最適な設計者を選定するためにまとめた。
 具体的には、技術提案の評価が最も高い者を選定する「プロポーザル方式」、入札額と技術提案を評価する「総合評価方式」、入札額で設計者を選ぶ「価格競争」の3方式について実施手順を解説している。技術力、経験に優れた設計者を選定するためのマニュアルとして使用してもらう。
 自治体の中でも市町村は価格競争に頼る傾向が強く、プロポーザル方式の採用実績のある市町村は3割にとどまる。マニュアルでは、市町村に活用を促すため、プロポーザル方式の手続きを重点的に記述。技術提案書の提出者を応募者から3〜5者に絞り込むことや、技術提案の評価テーマを1〜3件程度とすることを推奨した他、委託料を評価対象としないことも求めた。
 また、プロポーザル方式は設計案を選ぶものではないため、発注者が技術提案の表現の許容範囲を明確にする必要性も提示。技術提案の提出枚数を制限するなど、書類作成に必要な提案者の負担を軽減することも求めた。
 技術提案の表現について直轄事業では、文章表現を原則とし、視覚的表現は文章を補完する必要最小限とするよう求めている。ただ、今年4月からは、手描きを前提とした許容範囲が現状に合わないとして、技術提案の際にCADやBIMを活用して建築物の形状を盛り込むことを認めた。マニュアルにも記載し、自治体に参考とするよう求めている。

提供:建通新聞社