文部科学省の科学技術・学術審議会技術士分科会は、技術士資格への更新制度導入を検討することを盛り込んだ報告案をまとめた。CPD(継続研さん)を更新時の要件に活用することも視野に入れる。今後、継続的な研さんや更新制度の在り方を考えるため、分科会に作業部会を設置する。
海外各国のエンジニア資格では、更新周期に1〜5年といったばらつきはあるものの多くの場合、更新制と資格保持者の名簿の公開が行われている。報告案はこうした事例を踏まえ、技術士のステータス維持や技術の進歩への対応のため、更新制の導入を「早急に検討を進めるべき案件」とした。
更新に際しては、研さんの確認を要件化することも提案。この場合、技術士法で努力義務とされているCPDを義務化することになる。名簿の公開を通じた、研さんの有無の確認も合わせて検討する。
CPDを実施しやすい環境づくりについても検討を求めた。研さんの時間数とともに内容を重視し、業務と並行して無理なく取得できる仕組みを考える。各CPD実施機関での基準の統一や、諸外国の研さんの内容と歩調をそろえる必要性も指摘した。
報告書案ではこの他、技術士を国際的に通用する資格とするための制度検討を求めた。合わせて、APECエンジニアなど国際的な登録制度の活用も促進していく。
また、最短4年の実務経験で技術士の第2次試験受検資格を得られる「技術士補」について、さらなる活用を促進。エンジニア育成に向けたIPD初期能力開発の在り方も考える。
提供:建通新聞社