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中央ニュース

2019/01/16

建設キャリアアップ 限定運用がスタート

 限定運用(鹿島)_1技能者の就業履歴と保有資格を蓄積する建設キャリアアップシステムの限定運用が1月15日にスタートした。国土交通省とシステムの運営主体である建設業振興基金は同日、限定運用の対象である大成建設と鹿島の都内の現場を報道機関に公開した。カードリーダーに建設キャリアアップカードを実際に読み取らせ、システムに就業履歴を蓄積した杭打ち工の與那城武士さん(岡田組)は「初めて仕事をする元請けや現場所長に対しても、これまでの工事経歴を客観的に証明できる」と、4月以降の本運用への期待を話していた。
 建設キャリアアップシステムは、登録した全ての現場で4月から本運用を始める。限定運用は、システムを運用する現場を24現場に限定し、現場へのカードリーダーの設置と設定、建設キャリアアップカードの読み取り、就業履歴の蓄積状況の確認を行う。
 現場で生じるトラブルを検証し、本運用にフィードバックするのが目的。限定運用で発生するトラブルに対応するため、振興基金の担当者を各現場に配置するなど、サポート体制も整えた。
 地中障害物の撤去工事を進めている麹町五丁目建設プロジェクトでは、狭隘(きょうあい)な現場の状況に配慮して、敷地外のブースにカードリーダーを設置し、職長を務める與那城さんら杭打ち工が就業履歴を蓄積した。インターネット申請で技能者登録を済ませた與那城さんは「所属会社が代行申請してくれたので、スムーズに登録できた」と話すとともに、「杭打ち工は工事の早い段階で現場に入る職種。工事経歴を蓄積できるよう、どこの現場でも立ち上げの段階からシステムを導入してくれれば」などと求めた。
 赤坂五丁目プロジェクトの現場では現在、躯体、内装工事を進めており、現場の入場口にカードリーダーを設置している。鹿島の上田孝所長は「本社のバックアップがあり、カードリーダーの設置などの準備を滞りなく終えることができた」と振り返った。現場に従事する作業員に技能者登録を促すため、カードリーターの周辺にシステムのポスターなども掲示している。
 振興基金は、限定運用の対象であるこの他の現場でも元請け・下請けを集めた説明会を開き、限定運用の趣旨と目的を共有、4月からの本運用に万全を期す。限定運用で蓄積した技能者の就業履歴は、本運用開始後もシステムに引き継がれる。

提供:建通新聞社