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中央ニュース

2019/02/13

適正工期の確保へ 繰越し活用 速やかに

 国土交通省と総務省は、年度内に適正な工期の確保が難しい工事で、速やかに繰り越し手続きを行うよう地方自治体に要請した。用地交渉の遅れなどのやむを得ない理由で工期変更が明らかに必要な工事でも慣例≠ニして年度末まで手続きを行わない自治体が一部にあると指摘。こうした自治体に年度末を待たずに手続きを行うことを要請するとともに、議会承認が必要な繰越額はあくまでも「最高限度額」で、繰越額が未確定であることが手続きを実施しない理由とはならないと強調した。
 契約後に「やむを得ない事由」で年度内に工期が完了しないことが明らかになった場合、財政法・地方自治法に基づく繰越制度を活用すると、翌年度にわたる工期変更を行うことができる。
 自治体がこの繰越しで工期を変更する場合、議会に「繰越明許費」の議決を受ける必要がある。補助金などの国費が充当される事業では、財務省の財務局の承認も受けなくてはならない。
 ただ、契約当初や契約後に年度内に工期が収まらないことが分かっていても、慣例で年度末の議会まで繰越明許費の議決を受けない自治体が一部にある。受注者側にとっては、工期変更が正式に決まち年度末まで契約上のリスクを抱えることになる他、契約上の工期を理由に工期短縮を強いられる恐れもある。
 2月8日に国交省土地・建設産業局長と総務省自治行政局長の連名で送付した通知では、建設業の働き方改革を推進するため、速やかに繰り越し手続きを進め、適正に工期を設定するよう要請。
 この中で、繰り越しの対象となる「やむを得ない事由」には▽計画・設計に関する諸条件▽気象・用地関係▽補償処理の困難▽資材の入手難▽不調・不落の発生▽補助金交付決定の遅れ▽自然災害の発生―などを上げた。
 これらの理由で工期を見直す必要性が生じた場合には、年度末の議会を待たず、直後の議会で繰越明許費の議決を受けて契約変更を実施する。繰り越しの議決額は「最高限度額」であり、繰越処理する額が議決額の範囲内であればよいとの見解も明記した。
 また、補助事業で求められる財務局の承認は、議決前に申請できると明記。市区町村が実施する補助事業の繰越申請を委任されている都道府県に対しても、適切に申請手続きを行うよう求めた。

提供:建通新聞社