トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2019/06/26

建災防 厚労省へ外国人の安全教育内容提案

 外国人労働者に対する安全衛生教育・研修の具体的な内容や実施方法などを検討している建設業労働災害防止協会(建災防、錢高一善会長)は25日、厚生労働省へ「外国人労働者に対する安全衛生教育に関する要望書」を提出した。「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(改正出入国管理法)」が19年4月1日に施行され、新たな在留資格制度の運用が始まっていることから、労働安全衛生法(安衛法)に基づく法定教育の在り方についての考え方を先行的にまとめた。
 安衛法第59条第3項の特別教育については、教育機関が特別教育を行う場合、原則として同一母国語ごとの外国人労働者向けコースを別途設置することとした。ただ、社内での特別教育は例外扱いを認める。
 また、特別教育を行う際は必要に応じて通訳者を配置するよう求め、通訳者は特別教育に関する専門的、技術的な知識を有している者が望ましいとした。
 第59条が規定する特別教育に要する時間は、通訳に要する時間は各安全衛生特別教育規定に定める学科教育、実技教育の時間には含めないとの考えを示した。
 教材については、母国語の部分訳を付した基本テキストと動画などの視聴覚教材を用いるなど、適切な教材を活用することを求めた。さらに、教材を用いた特別教育を行う場合、日本語による教育とともに、業務にとって重要な事項については通訳者が補助的な説明を加えることを勧めた。
 第59条の規定にはない「理解度の確認」も求めた。日本語の理解力が十分ではない外国人労働者に特別教育を行う場合、所定の教育時間を修了後に、講師や通訳が口頭で質問するなどして、理解度を確認することが望ましいなどとした。
 安衛法第14条に定める技能講習と同法第60条に規定する職長教育については、一定の日本語能力を有することが前提だとして、日本人と同等の方法によって教育を実施するよう求めた。
 同法59条第1項の雇い入れ時の安全衛生教育と同第2項の作業内容変更時の安全衛生教育については、日本語の能力が十分でない外国人労働者に対しては母国語に翻訳された教材、視聴覚教材などを使用することとし、安全衛生教育の実施責任者の管理の下で、外国人労働者と同じ言語を話せる日本語の上手な労働者に通訳や、教育の補助役を依頼して教育を行うことが望ましいなどとした。
 建災防は今年4月、蟹澤宏剛・芝浦工業大学建築学部建築学科教授を委員長とする検討委員会を設置。特定技能外国人に対する技能講習と職長教育について検討していた。

提供:建通新聞社