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2019/07/01

複業化で地域の雇用創出を 建設トップランナーフォーラム

 新分野への進出や新技術開発などに挑戦する地域建設業などで構成する建設トップランナー倶楽部(代表幹事・米田雅子慶応大学特任教授)は6月28日、『原点回帰―複業で地域を支える』をテーマに第14回建設トップランナーフォーラムを東京・内幸町のイイノホールで開いた。建設業や国、地方自治体の関係者ら約300人が参加した。
 フォーラムの冒頭、米田代表幹事が「建設トップランナーのメンバーは、地域防災の担い手、インフラの守り手、複業による雇用の支え手として努力してきた。今回は、倶楽部の発足の原点に戻り、農業や介護事業などとの複業化による雇用の支え手としての取り組みに焦点を当てたい」と開催趣旨を説明した。
 来賓として石井啓一国土交通相と𠮷川貴盛農林水産相、石破茂元内閣府特命担当相が参加した。
 あいさつに立った石井国交相は、多発する災害の復旧や防災に対する建設業の貢献に感謝するとともに、「地域の守り手として建設業が魅力にあふれ、誇りと希望をもって仕事に打ち込める環境を整備していきたい」と述べた。
 また、𠮷川農水相は、生産性向上や担い手の確保など農林水産業と建設業に共通する課題を指摘。「建設業で培ったノウハウを農林水産業でも生かし、異業種の連携によるイノベーションによって、地域での雇用と所得を生み出してほしい」と建設業の複業化に期待感を示した。
 石破元特命担当相は、「人口減少が進む中で、地域で雇用と所得を生むためには、地域でしかできないことをいかに実現するかが課題」と強調。島根県・隠岐の島で酪農や漁業を営み、定住人口の回復にも貢献している飯古建設の取り組みを例に「地域に密着している建設業だからできること」と話した。
 フォーラムでは、農業や介護・福祉、環境事業との複業化に取り組む7社が事例発表した。
 また、東日本大震災で被災した岩手県釜石市・大槌町・遠野市が連携し、地域の森林組合や設計事務所、工務店などと建設した「スクラムかみへい復興住宅」の発表も行った。

提供:建通新聞社