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中央ニュース

2019/10/16

原点回帰〜複業で地域を支える〜

第14回建設トップランナーフォーラム(11) 
第3部 再生可能エネルギー・環境事業への進出 アドバイザーコメント

■建設業の技術と知恵を生かした事業を評価

 五道氏_1第3部「再生可能エネルギー・環境事業への進出」では、深松組(仙台市)の深松努社長が「富山県の小型水力発電と地域水道の維持」と題し、小水力発電の売電収入による老朽化した簡易水道設備の更新▽日本建設技術(佐賀県唐津市)の原裕社長が「環境リサイクル・ミラクルソルの展開」と題し、ガラス廃材の再資源化により開発した多目的資材「ミラクルソル」の透保水性舗装工法での活用事例―をそれぞれ発表した。これに対し、アドバイザーの五道仁実国土交通省大臣官房技術審議官と、上田康治環境省大臣官房審議官がコメントした。

 富山県朝日町の山間部に位置する笹川地区で、老朽化した簡易水道の更新を、小水力発電事業で得た売電収入で実施する深松組の取り組みについて五道氏は「建設業が持つノウハウを生かし、技術をはじめ、地域の地形なども熟知していたからこそ実現できた」と評価。また、建設事業だけではなく、資金調達を含め事業全体の枠組みを構築した行動力に「これからの地域のインフラ整備における建設業が果たす役割のモデルとなる」と述べた。

 日本建設技術の取り組みでは、緻密な実験の積み重ねなどを評価。「国土交通省では、こうした新技術の導入に対して予算確保にも取り組んでいる。攻めの複業に力を入れてほしい」とコメントした。

 上田氏は、両者の複業事例を聞き、まさに国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な成長)だと述べた。

 深松組には、「地域活性化を行い、電気代を無料にし、若い人たちが地域に戻るきっかけづくりも考えるなど、地域が元気になる取り組みは意義深い」と話した。また、水力発電による売電収入を地域のことに使うことや、行政や地域、銀行などと連携して取り組むことについて、地方の将来切り開くと期待を寄せた。

 日本建設技術には「開発されたミラクルソルは、ガラス廃材でリサイクルされた資材であり、透保水性舗装工法により、ヒートアイランド現象の抑止やCO2対策など、複数の効果を得られる点が素晴らしい」と称賛。

 特にヒートアイランド現象の抑制効果は、近年多発している熱中症の予防にもつながると、活用の拡大に期待感を示した。(地方建設専門紙の会)
 ※登場者の肩書は6月28日時点のものです。