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2019/10/09

安全衛生の確保 「発注者として指導必要」

 国土交通省は、地方公共団体と民間企業を対象として行った、建設工事の安全衛生経費に関する実態調査の結果をまとめた。安全衛生の確保について「発注者としても指導が必要」との回答が公共で86・8%、民間で76・0%を占めた。一方で、工事費の内訳として安全衛生経費を明示することについては「発注者に安全衛生経費に関する知識・ノウハウが必要となる」点を不安視する回答も多く、発注者向けのマニュアルの作成や、研修・講習を求める意見が寄せられた。国交省はこうした声を踏まえながら、安全衛生経費が下請けにまで確実に払われる方策を考える。
 調査は、官民の工事発注者を対象に、安全衛生経費に対する認識や、実際の取り組み状況を把握するため8〜9月に行った。地公体からは295件の回答があった。民間企業は鉄道や電力、不動産、住宅メーカーなどに依頼し、50件の回答があった。
 安全衛生経費の内容については、都道府県・政令市は大半が「よく知っている」「ある程度知っている」と回答したが、市町村に限ると「ほとんど知らない」「まったく知らない」との回答も約1割を占めた。民間は全体では約9割が「よく知っている」「ある程度知っている」だったが、従業員数100人以上1000人未満では約2割が「ほとんど知らない」と回答した。
 安全衛生経費の内訳明示については、官民ともに「施工者の安全意識の向上」「必要な対策を実施する一助となる」といったメリットを挙げた。一方で、地公体の多くは「安全衛生経費に関する知識・ノウハウが必要となる」「内訳を確認する手間が増える」といった懸念も示した。民間企業では「発注金額の増加」が気に掛かるとする回答も多かった。

提供:建通新聞社