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中央ニュース

2019/11/21

道路政策ビジョン 災害脆弱性を克服

 国土交通省は11月20日、社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会を開き、20年後の日本社会を見据えた道路政策ビジョンの素案を提示した。素案では「災害脆弱(ぜいじゃく)性とインフラ老朽化を克服した安全社会の実現」を柱の一つに掲げ、高速道路を災害仕様に転換したり、人工知能(AI)・モニタリング技術を活用した点検・診断技術を導入するよう提案。維持修繕・更新費の増加に備え、受益と負担を踏まえた財源確保を検討する必要性も示した。
 ビジョンは、災害の激甚化、少子高齢化、自動運転の実用化などの課題を踏まえ、中長期的な道路政策の方向性を示したもの。
 この中では、首都直下地震・南海トラフ地震の発生、気候変動に伴う豪雨被害の増加などの懸念が高まっていることを踏まえ、道路の耐災害性を強化する考えが示された。具体的には、土砂災害リスクが高い区間で幅員の広い路肩を設置したり、浸水区域にある高架橋や盛土部に避難場所を設置するなど、高速道路を災害仕様に転換。
 トンネル・橋梁・盛土などの耐災害性の性能基準を統一し、災害発生時にも道路ネットワークが機能できるようにする。
 道路の老朽化に対しては、予防保全型メンテナンスや施設の集約化を進め、維持管理の高度化・効率化を図る。AIやモニタリング技術の点検・診断、新材料を活用した修繕工事、点検箇所を減らした構造などを採用するとした。
 少子高齢化で労働力人口が減少する中でも、道路が提供するサービスを高度化し、人が交流・活躍する社会に貢献する。大型公共交通ターミナル「バスタ」の整備により、高速バスサービスを全国でネットワーク化。幹線物流を担う高速道路にトラック隊列走行の専用走行空間も整備する。

提供:建通新聞社