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2020/04/02

CCUSの活用 国交省が初めての要請

 国土交通省は4月1日、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用を要請する土地・建設産業局長名の通知を建設業界や公共・民間発注者宛てに送付した。3月に同省と建設業4団体がまとめた「官民施策パッケージ」の周知徹底、CCUSの最大限の活用を要請した。都道府県・政令市に対しては、直轄工事で実施する「CCUS義務化モデル工事」なども参考にした取り組みを検討することを求めた。国交省がCCUSの活用を業界や発注者に要請するのは今回が初めて。
 通知は、建設業111団体、都道府県・政令市、中央省庁、独立行政法人・特殊法人、主要な民間発注者団体に送付。官民施策パッケージで目標に掲げた「2023年度までにあらゆる工事でCCUS完全実施」の実現に向け、施策への協力を求めている。
 官民施策パッケージでは、公共・民間工事で建設業退職金共済を証紙方式からCCUSを活用した電子申請方式へと23年度までに完全移行する方針が示された。国交省は、完全移行までの運用や経営事項審査における確認方法を今夏までに定める。
 通知では、建退共の掛金が建設業法に規定する「通常必要と認められる原価」に含まれることを強調。その上で、CCUSを活用することにより、公共工事だけでなく、民間工事でも掛金納付・充当を徹底するよう求めた。
 今年10月から作業員名簿の作成が義務化されることに合わせ、労働者単位での社会保険加入の確認にCCUSの作業員名簿の閲覧・出力機能を活用することも求めた。
 20年度から直轄工事の一般土木工事(WTO対象)では、カードリーダーの設置、事業者・技能者登録率などに応じた工事成績の加点・減点措置を講じる「CCUS義務化モデル工事」を試行する。都道府県をはじめとする公共工事の発注者には、こうした動きを踏まえて工事成績評定や総合評価方式での加点を積極的に検討するよう要請。
 その上で、20年度以降の入札契約適正化法に基づく実態調査では、加点評価の状況について報告を求めるとした。
 元請け企業に対しては、技能者の能力評価に不可欠な就業履歴の蓄積を阻害しないよう、カードリーダーの設置、現場・契約登録、施工体制登録を実施するとともに、下請け企業にも施工体制登録の実施を指導することを求めた。

提供:建通新聞社