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中央ニュース

2020/05/14

改正建設業法で省令・告示案

 国土交通省は、建設業法改正に伴う同法施行規則を改正するための省令案と告示案をまとめた。許可基準の見直しでは、財務管理・労務管理・運営業務の経験のある者を補佐につけることを条件に、現在の経営業務管理責任者(経管)の要件を大幅に緩和。元請けに作業員名簿の作成を義務付け、名簿の記載事項も定める。経営事項審査の加点対象である登録経理試験の合格者に5年に1度の登録経理講習の受講を求め、講習内容や講習の実施機関を法的に位置付ける。
 省令案と告示案のパブリックコメントを5月13日に開始した。改正建設業法と同じ10月1日に施行する(技術検定関係は2021年4月1日)。改正法に盛り込まれた許可基準の見直しや事業承継の事前認可、主任技術者の配置義務の見直しに加え、21年度の経審改正に向けた詳細な規定を定める。
 1971年の許可制導入後初となる許可基準見直しでは、経管の要件を大幅に緩和する。建設業の役員として5年以上の経験などを求めている現行の基準に加え、建設業の役員・管理職の経験5年以上(役員2年以上、管理職3年以上)、建設業の役員・他業種の役員の経験5年以上(建設業の役員2年以上、他業種の役員3年以上)とする新たな基準を設ける。
 新たな基準で経管を配置する場合は、許可を取得する企業で財務管理・労務管理・運営業務の経験がそれぞれ5年以上ある社員の補佐が必要。
 許可基準に追加する社会保険加入については、健康保険と厚生年金保険は対象となる全事業所を適用事業所として届け出ていること。雇用保険は、該当する全ての事業を適用事業として届け出ていることを求める。許可要件では労働者ごとの加入は求めない。
 元請けが作成する施工体制台帳には、作業員名簿の添付が義務付けられる。作業員名簿には、技能者の▽氏名・年齢▽職種▽社会保険加入▽建退共加入▽安全衛生教育―の他、技能者本人が希望すれば、技能者の保有資格情報も記載できる。施工体制台帳や帳簿などを全てデータ保存することも認める。
 鉄筋工事と型枠工事に限り、同一工種の下位下請けに主任技術者の配置を求めない「特定専門工事」では、上位下請けと下位下請けの合意事項も定める。特定専門工事では、工事内容、契約金額、上位下請けの主任技術者を書面で合意し、上位下請けが主任技術者を専任で配置する誓約書の添付も求める。

「経審でCPD取得評価」

 経審の審査項目には、技術の研さんに取り組む技術者・技能者を追加し、CPDを取得した技術者、建設技能者の能力評価制度でレベルアップした技能者らを雇用する企業を加点する。登録経理試験(建設業経理士1級・2級)の合格者については、経審の加点条件に5年ごとの講習受講を追加。経審の加点を受けるためには、登録経理講習実施機関が主催する講習の修了が必要になる。経審の改正は21年4月に施行する予定。

提供:建通新聞社