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2020/05/28

最大400カ所で実施 鉄道施設の浸水対策 JR東日本


JR東日本は、鉄道施設の浸水対策について取り組み方針をまとめた。2019年の台風19号によって発生した北陸新幹線・長野新幹線車両センターの浸水被害を教訓に、同センターの電気設備の嵩上げを検討している。また同センター以外の鉄道施設でも、設備の重要度に応じて嵩上げや止水板の設置などの対策を最大約400カ所で実施する。
 鉄道施設の浸水対策については、数十年〜200年程度に一度発生する計画規模降雨を想定し、ハードとソフトの両面から対策を講じていく。また車両の浸水対策について、1000年に一度の想定最大規模降雨に基づき判断の指標を整備し、車両を避難させる考えだ。
 長野新幹線車両センターでは、運行への影響が大きい電気設備の嵩上げを検討していく。また車両の検修庫などについては、建屋の開口部などへの止水板や止水壁の設置を考えている。その他、車両基地の操業に必要な機器などについて、予備品や代替機能の確保を検討する。いずれも財産を所有する鉄道・運輸機構と協議して対策を推進する。
 同センター以外の鉄道施設については、洪水などで浸水した場合、故障して列車の運行に支障を与える設備を対象に、重要度に応じた対策を検討している。嵩上げや止水板の設置などハードの対策や、予備品の確保や代替設備の活用などソフトの対策を計画的に具体化していく。
 ハードの対策を検討している対象は、現時点で最大約400カ所を想定しており、今後精査する。鉄道・運輸機構が財産を所有している施設については、同機構と協議して対策を進める。
 車両の避難については、ハザードマップなどを活用し、想定最大規模降雨に伴う河川の氾濫などによって浸水被害が想定される車両留置箇所を抽出し、それぞれの箇所ごとに避難の判断の指標を整備する。この指標のほか、台風の進路などの気象情報によって車両の避難を総合的に判断する。
 具体的には、河川の規模や管理者ごとに公開されている河川水位の予測や、気象庁が公開する流域雨量指数の予測に加え、気象庁の降雨予測を使用し、河川水位に影響する「流域降雨量」を同社が独自に算出。これらを組み合わせて車両の避難を判断する。
 
提供:建通新聞社