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2020/06/02

建設資材の物流改善へ指針 国交省・厚労省

国土交通省と厚生労働省は、建設資材の物流を効率化し、ドライバーの長時間労働を改善するためのガイドラインを策定した。工事の元請業者には資材の荷主として運送事業者への配慮を法的に義務付けていることを踏まえ、元請けと下請けの連携による物流マネジメントの強化を柱とした。対策としては、工事計画を施工業者と運送業者で共有するとともに、情報伝達でのICT活用を促進。ドライバーによる荷卸しなどの慣例的な付帯作業についても、役割を整理して納品条件を明確化する。今後、荷主・運送業者に対し、ガイドラインを参考に取引環境を改善するよう促していく。
 トラック運送業ではドライバーの高齢化に伴い、今後10〜15年で人手不足が一層深刻化すると見込まれる。特に建設資材の物流では、現場に到着したトラックが荷卸しできずに待たされる「荷待ち」が多発しており、効率化が求められていた。
 ガイドラインでは、多様な資材の搬入車両が現場に出入りする一方で、情報共有が進まず、限られた荷卸し場にトラックが集中することで荷待ちが発生していると分析。下請業者が資材の発注・受け入れを担っている実態にも触れ、元請けによる主体的な関与の必要性を指摘している。
 荷待ちへの対応策としては、大規模現場の作業調整会議に運送事業者も参加し、工事計画の共有や入場時間の調整を行った事例を示した。また、▽ICTの情報共有システムを元請けが導入し、下請・運送業者を含めて搬出入予定を「見える化」▽搬出入ゲートに入出場状況を把握し、現場と調整する担当者を配置―といった事例も提示した。
 納品条件の適正化も主要な対策の一つに位置付けた。納品可能な時間を厳しく設定しているため、トラックが早めに到着して荷待ちする例もあるため、納品時間枠の緩和など、合理的な条件設定を求めている。
 納品条件は車上渡しを基本とする。ドライバーが慣例的に行っている付帯作業については、役割を書面で明確化し、不要な業務の廃止や、運送とは別途に料金化することとしている。
 入出荷時の納品・検品作業に伴う負担の軽減では、物流管理システム(2次元コードなど)を用いた検品作業の効率化を例示。養生シート掛け作業を機械化する事例も示している。

提供:建通新聞社