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2020/07/21

連載:中小建設業はテレワークで変わる(2)

連載:中小建設業はテレワークで変わる(2)
ITで距離を越える
柔軟なスタイルで効率化を
大塚商会

 「場所にとらわれずに仕事がしたい」「業務を自宅でできないか」―。そうしたニーズに応えるためには、ICTを使って「距離を越える」ことが必要になります。これらを実現するのが「リモートアクセス」と呼ばれる仕組みです。
 具体的には「万能型」と「在宅特化型」の二つに分けることができます。万能型では、テレワークの3つの形態である@モバイルワークAサテライトワークB在宅勤務―のいずれもで仕事ができる状態になります。持ち運べるパソコンとWi-Fiなどの環境を整えれば、あらゆる場所を自席にすることができます。
 一方、在宅特化型は会社のパソコンを持ち出せない場合などに該当します。自宅のパソコンに社内のデスクトップパソコンなどの画面を映し、社内のパソコンを遠隔で操作する「リモートデスクトップ」という方法です。
 考え方としては、会社のパソコンがノートパソコンなら万能型、デスクトップなら在宅特化型を基本に検討するといいでしょう。プリントアウト以外のことなら、ほぼ会社にいる場合と同じことができます。
 さらに建設業に限ってみると、CADなど大掛かりなデータを動かすアプリケーションを使う場合は、VDI(バーチャル・デスクトップ・インフラストラクチャー)という技術を使います。外に持ち出すことが難しいハイスペックなパソコンをテレワークで利用する際には、在宅特化型の中でも、より高度なVDIがお勧めです。
 建設業のもう一つの特徴は「業務系」「設計」「現場」といった業態が同じ会社内に混在していることです。大手ゼネコンでは業態ごとにアクセスの方法を変えている場合もあります。テレワークで何がしたいのか、使用するアプリケーションは何か、データは持ち出すことができるのかなどを踏まえて、どのようなソリューションを導入するかを検討します。実際にはさまざまな方法があるので、専門のIT業者に相談することも考えてください。
 テレワークによって「距離を越える」効果は、特に現場では小さくありません。従来なら、図面を持ち出し、写真を撮り、打ち合わせを行う。外の仕事が終了してから事務所に戻ってパソコンに入力。結果的に残業続きになっていました。それがパソコンを持ち出すことで、外にいる間に事務所の仕事を進めることができます。もちろん現場以外の業務でも、テレワークによって通勤時間の削減やライフワークバランスの向上などが見込まれます。
 労働力人口の減少が進む中で、建設業でも人材不足が顕在化しつつあります。人材確保のためにも柔軟な仕事のスタイルを取り入れ、労働時間の削減や女性が活躍できる環境を整えることが求められています。
(大塚商会 PLMソリューション営業部:山田琢司、マーケティング本部:井川雄二、中村真之)

提供:建通新聞社