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中央ニュース

2020/07/31

労働者単位の社保加入指導を強化

 国土交通省は、10月1日から適用する「社会保険加入に関する下請け指導ガイドライン」の改訂案をまとめた。改正建設業法で許可業者に企業単位の加入を義務付けることを踏まえ、現場での労働者単位の加入指導も厳格化する。作業員名簿だけではなく、加入証明書類を下請けに提出させて作業員の加入を確認する一方、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録された真正性の高い情報で加入を確認する場合は、加入証明書類の提出を求めないようにする。
 10月1日に施行される改正建設業法では、社会保険加入を建設業許可・更新の要件にする。企業単位の加入率(雇用保険、健康保険、厚生年金保険)は、19年10月時点で98・4%まで上昇しており、許可の要件とすることで対策に区切りをつける。
 その一方で、労働者単位の加入対策は強化。現行のガイドラインは、作業員名簿で保険加入を確認できない作業員の現場入場を認めないように求めているが、加入証明書類の提出までは求めていない。
 改訂案では、登録時に加入証明書類で情報の真正性が確保されているCCUSで加入状況を確認する場合、システムの閲覧画面のみでの確認を認めるとした。一方でCCUSを使用せずに加入確認をする場合は標準報酬決定通知書など加入証明書類のコピーを提出させるなど、真正性の確保に向けた措置を徹底するよう求める。
 また、改訂案では、社会保険加入を逃れるための偽装一人親方への対策も新たに講じる。雇用保険に加入していない個人事業主(一人親方)がいた場合、下請け企業として施工体制台帳・施工体系図に記載する他、上位下請けとの関係を正確に記載した再下請負通知書・請負契約書を提出してもらう。
 改訂案では、一人親方の事業者性を確認するための記載も充実。判断基準として「仕事先から意に沿わない仕事を頼まれた場合に断る自由がある」「日々の仕事量や配分、進め方等について自らの裁量で判断している」「仕事の就業時間を自ら決めている」「仕事の都合が悪くなった場合に自分の判断で変わりの者を探す」「報酬が工事の出来高見合い」と追記し、基準に合わない一人親方については、偽装請負として法令に抵触する恐れがあるとした。

提供:建通新聞社