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2020/08/12

連載:中小建設業はテレワークで変わる(6)

連載:中小建設業はテレワークで変わる(6)
ITで効率を上げるA 
目標・目的を定める  大塚商会

 仕事の効率化のためにITを導入した大手ゼネコンの方から、「本当に効率が上がったのか分からない」という声を聞くことがあります。仕事の効率化は、ITで社員をつなげたり、情報共有したりする場合とは異なり、ゴールが見えにくいことが特徴です。ITによる仕事の効率化を考える際には、システムを導入する段階で目的と目標を決めることが最も重要です。
 例えば、ITによって「打ち合わせの数」「作業の数」「作業に掛ける人数」を減らすといった明確な目標を決めることで、効率化の効果が目に見えるようになります。
 経営者は費用対効果を考えざるを得ないため、どうしても「売り上げを2倍にする」とか、「作業を半分にする」といった大きな目標を掲げてしまいがちですが、実は目に見える小さな目標を設け、達成感を得ながら前に進むことが重要です。BIM/CIMを活用する場合でも、まずは「近隣説明用の3次元資料をまとめる」といった短期間での目標を数多く設定するといいでしょう。
 また、今はさまざまなIT技術が日進月歩で進化しています。そうした中から、自分たちに何が必要で、何を活用できるかを選別することも大切です。大手ゼネコンの中には、RFIDタグ(ICタグの一種)を使ってコンクリート強度を測定する技術を導入している企業もありますが、中小建設業にはそこまでは必要ないかもしれません。むしろ、同じRFIDのタグを 工具に付けて、現場での工具などの置き忘れを自動検知できる仕組みを導入したらどうでしょうか。現場の仕事が終わった後の片付けの時間を短縮でき、仕事の効率化につながります。
 明確な目的と目標を設定すれば、仕事の効率は必ず上がります。大手ゼネコンでも、これからは「先端技術を取り入れた中小建設業をぜひ活用したい」という考えが増えるでしょう。AI(人工知能)やRPA(ロボットによる手順の自動化)、IoT(あらゆるモノのインターネット接続)を駆使した効率化建築≠駆使した中小建設業が選ばれる時代がくるのです。
 中小企業の強みは経営判断の早さにあります。大手が活用に踏み切れない先端技術を使いこなすことができれば、中小建設業にとっては営業戦略上の強みにもなるはずです。
(大塚商会 PLMソリューション営業部:山田琢司、マーケティング本部:井川雄二、中村真之)

提供:建通新聞社