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2020/08/24

連載:中小建設業はテレワークで変わる(8)

連載:中小建設業はテレワークで変わる(8)最終回
これからの中小建設業
IT活用で「選ばれる会社」に 大塚商会

 コロナ禍により、否が応でも進めざるを得なかった「テレワーク」ですが、その結果、仕事を取り巻く環境が変わり、効率が上がったことを皆さんも実感しているのではないでしょうか。テレワークをはじめとしたITの活用は、これからも後退することはありません。今回のコロナ禍を機に、さらに効率を上げるような取り組みを進めるべきです。
 すでに大手ゼネコンは、ITを使った生産性や効率性の向上に大きな力を注いでいます。働き方改革に伴う週休2日の実現や労働時間の上限規制への対応が求められる中で、そうでなければ生き残ることができなくなるからです。
 中小建設会社は、そうした大手ゼネコンと協力して工事を進めたり、時には競争したりしなくてはなりません。今後、発注者や大手ゼネコンは、ITに優れた中小建設会社を選ぶようになるでしょう。ITに「秀でた会社」と「そうでない会社」では差がついてしまいます。建設業界の進化から振り落とされないためにも、ITを経営や現場に取り込んでいくことが必要です。
 逆に、先端的な取り組みに挑戦している中小建設会社とは、大手ゼネコンも一緒に仕事をしたくなるはずです。大手に比べて中小は小回りがきき、専門分野に特化したIT技術を導入しやすい場合もあります。他社と差別化できる武器を持つことで、選ばれる会社になることができます。
 人材確保の面でもIT化は不可欠です。今の中小建設会社の最大の悩みは、若手を中心とした人材の不足です。例えば、高校や大学を卒業する学生は、就職先にどんな会社を選ぶでしょうか。先進的な技術を積極的に導入し、若者の目に「魅力的だ」と映る会社にならなければ、良い人材を獲得し定着させることはできません。
若い社員の加入は、会社自体の活性化にもつながります。会社がさらに成長するためのフィードバックも期待できます。経営層がいかに柔軟な考え方をできるかによって、会社の伸びしろも変わってくるのです。
 新型コロナウイルス感染症の感染者数は、再び増加傾向にあります。テレワークなどIT技術の活用を求める流れは、さらに拡大しそうです。今回の連載では、当社で提唱する「7つのストーリー」に沿って、中小建設会社がテレワークなどを実践するための取り組みを解説してきました。本連載も参考に、まずは一歩を、そして次の一歩を踏み出してください。分からなければ、専門家に聞いたり、情報を集めたり、努力をすることも必要です。いずれにしても、絶えず問題意識を持ち、IT技術で解決できないかを考えて行動していくことが、会社の未来を変えることにつながるでしょう。
(大塚商会 PLMソリューション営業部:山田琢司、マーケティング本部:井川雄二、中村真之)
(おわり)

提供:建通新聞社