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2020/09/29

利水ダム 国主体で放流管整備

 
国土交通省は、水力発電用などに整備された利水ダムの洪水調節機能を強化するため、河川管理者である同省が主体になって放流施設を整備できる支援制度を2021年度に創設する。洪水が予測された際、利水ダムの利水容量を事前放流し、洪水調節に活用できるよう、国が放流管などの整備を代行する。整備費も全額を国が負担する。
 現在、稼働中のダムは全国に1460カ所あり、有効貯水容量は約180億立方bに上る。ただ、水力発電や農業用水などの多目的で整備されており、洪水調節のために使えるダムの貯水容量は約3割の54億立方bにとどまっている。
 気候変動による激甚水害の発生が頻発する中、国交省は今年の出水期から洪水の恐れがある場合に利水ダムに一時的に空き容量を確保する「事前放流」を全国の1級水系でスタート。20年度当初予算では、利水ダムの管理者が事前放流に必要な施設整備を行う際の補助制度(補助率2分の1)も創設した。
 こうした措置に加え、21年度は、放流管などをダム管理者に代わって整備する支援制度も創設する。放流施設を整備することで大きな洪水調節効果を期待できる利水ダムについて、河川管理者である国主体で施設を整備できるようにする。
 利水ダムで洪水被害を防止・軽減させる放流施設を整備した場合、固定資産税を課税対象から除外する新たな税制も創設する。2級水系でも事前放流が進むよう、2級水系の河川管理者である道府県の事前放流に伴う損失補塡(ほてん)を国が支援する制度もつくる。
 
提供:建通新聞社