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2020/10/28

国立大の整備目標 5年で約1・1兆

 文部科学省は、2021年度から始まる国立大学施設等整備5か年計画の策定に先立ち、計画期間中に必要になる施設整備の規模を延べ約873万平方b、総額約1兆0828億円とする試算をまとめた。このうち約798万平方b、約6194億円と大半を既存施設の老朽改善整備が占める。新増築は約30万平方bを見込んでおり、必要額は約1020億円となる。この他、国立大学附属病院の整備で約45万平方b・約2472億円、配管・配線や設備機器などのライフラインに約1142億円を見込んでいる。
 現行計画では、約1兆3080億円約を投じて585万平方bを整備するとの目標を掲げた。ただし、20年度当初予算に基づく現行計画の進ちょくは面積ベースで32%にとどまる見通しだ。
 次期計画では、現行と比べて老朽改善整備のウエートを高めた。適切な長寿命化を施すことで、中長期的な維持管理コストを低減させる。
 老朽化した施設ストックが増大している現状を踏まえ、まずは築45年以上の未改修施設97万平方bのうち87万平方bについて大規模改修、改築を計画。残る10万平方bは取り壊す。さらに、築45年以上で一部改修済みの施設139万平方bについては「8割改修、1割改築、1割取り壊し」を目標とした。さらに、▽築35〜44年の未改修施設242万平方bのうち早期に改修が必要な約1割▽築20〜34年の未改修施設497万平方b▽築45年、大規模回収後25年以上の41万平方b―について性能維持改修を施す。
 新増築は現行計画の40万平方bから絞り込んだ。可能な限り既存施設の有効活用で対応する。
 附属病院施設については現行より目標規模を縮小。また、通常の維持管理業務では対応できない老朽化対策として、ライフライン整備にも約464億円を投じる。
 大学施設のライフラインについては、法定耐用年数の倍を超える時間が経過した主要な配管・配線を対象に、約1884`を施工するとした。電機や機械の設備機器については、約1981台を整備する。
 施設整備を加速させるため、国立大学による多様な財源確保も促す。長期借入金を活用できる対象事業の拡大などを検討していく。

提供:建通新聞社