トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2020/12/04

熱中症警戒アラート 来夏から全国展開

 環境省と気象庁が共催する有識者会議が、暑さ指数(WBGT)をベースとした指標に基づく「熱中症警戒アラート」を来夏から全国展開することを柱とした、熱中症対策に関する報告書をまとめた。これまで気温35度以上が予測される際に発表していた「高温注意情報」に代えて、暑さ指数33以上の際にアラートを発令する。報道発表の他、電子メールやアプリ、各種団体を通じた情報発信により、広く国民に警戒を呼び掛け、屋外での作業時の配慮など、予防的な行動を促す。
 両省庁はことし7月から10月にかけて、熱中症警戒アラートを関東甲信エリアの1都8県(東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、長野県)で先行して試行。前日17時、当日朝5時に地域ごとの最新の予測を基にアラートを発表した。関東甲信エリアのいずれかで発表した回数は8月に20回、9月に6回。発表回数が最も多かったのは神奈川県の20回で、最も少なかったのは長野県の5回。報告書では、アラートが熱中症による搬送者の発生タイミングを補足できていたと評価した。
 職場における熱中症の死傷者を見ると、建設業では15年〜19年に759人が死傷(うち46人が死亡)しており、業種別では最多という深刻な状態となっている。このため、アラートの試行に際しては建設業労働災害防止協会を通じて建設業にも周知・利用を促した。
 アラートは熱中症の危険に対する「気づき」という位置付けで、実際の暑さ指標は現場ごとに計測する必要がある。報告書では来夏の本格運用に向けて、アラート発表時にどのような行動を取るべきか、リーフレットをまとめて事前に周知するよう国に求めている。
 また、アラートの発表基準や伝達方法についてもさらなる検討を求めるとともに、関係機関へのアンケートを通じてアラートの効果を検証するよう促している。

提供:建通新聞社