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2020/12/14

国土強靱化5か年加速化対策を閣議決定

 政府は12月11日、2021年度を初年度とする『防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策』を閣議決定した。風水害・大規模地震対策、予防保全型のインフラメンテナンス、デジタル化の推進を柱として、123の対策を集中的に実施する。5年間の事業規模はおおむね15兆円(うち国土交通省分9・4兆円)で、初年度の経費は15日にも閣議決定する20年度第3次補正予算案で措置する。
 20年度末で期限を迎える3か年緊急対策を延長し、気候変動で激甚化する自然災害への対策に加え、インフラの老朽化対策やデジタル化に25年度まで予算を上乗せする。
 事業規模はおおむね15兆円とし、▽激甚化する風水害や切迫する大規模地震への対策(12・3兆円、78対策)▽予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策(2・7兆円、21対策)▽国土強靱化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化等の推進(0・2兆円、24対策)―の合計123の対策を進める。
 5年間で事業を集中的に推進することで、各対策の中長期の目標を前倒しで達成させる。流域治水対策では、河道掘削、堤防整備、堤防強化などを進めることで、戦後最大規模の洪水に対応した1級河川の整備率を65%から5年で73%に引き上げる。整備完了の達成年度を2050年度から45年度に前倒しする。
 土砂災害の危険性がある緊急輸送道路の法面・盛土(約3万3000カ所)の対策は、25年度までに73%完了させる
 道路施設の老朽化対策は、地方自治体が管理する橋梁の修繕実施率を34%から73%へと大幅に引き上げる。防災上重要な道路の舗装の修繕も重点的に実施し、約2700`の修繕を25年度までに完了させる。公立小中学校を長寿命化するための改修工事は、5年で集中的に予算を投じ、28年度までの完了を目指す。
 デジタル化の推進では、直轄工事でのICT施工の実施率を25年度に88%にする(19年度は79%)。コンクリート構造物の施工にICTを活用するための出来形管理基準を23年度までに5基準策定する。国・地方自治体の全ての発注工事での建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用を25年度までの早期に実現する。
 加速化対策の初年度分の事業費は20年度第3次補正予算で措置する。2年目以降は各年度の予算編成過程で検討する。事業費15兆円には、国の予算の他、財政投融資や民間事業者(電力会社など)の資金も含まれる。

提供:建通新聞社