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2020/12/22

施工が原因の可能性を説明 外環直上の陥没・空洞

 東日本高速道路は12月18日、第5回東京外環トンネル施工等検討委員会(委員長・小泉淳早稲田大学名誉教授)を開き、調布市内での道路陥没と地中の空洞発生の要因分析の中間報告として、「陥没・空洞箇所の下部がトンネル方向に局所的に引き込まれている現象がボーリング調査によって確認された」とし、「特殊な地盤条件下」のシールドトンネルの施工が「陥没箇所を含む空洞の要因の一つである可能性が高いと推定される」と説明した。
 「特殊な地盤条件」と表現した現地の地盤の特性のうちシールド掘削断面については「細粒分が少なく、均等係数が小さいため自立性が乏しく、礫が卓越して介在し、シールドトンネル掘削土の塑性流動性の確保に留意する必要がある地盤」とした。
 また、掘削断面上部については「単一の砂層である流動化しやすい層が地表近くまで連続している地盤」、表層部は「外環沿線における他の区間と比べて薄い地盤」とそれぞれ説明した。
 陥没などを発生させた施工状況に関しては、施工データに基づき「夜間掘進休止時間に生じた閉塞を除去するために、沈降した砂礫を排土しながら起泡溶液を注入するなどの特別な作業が陥没・空洞箇所周辺で行われており、その過程で切羽の緩みを生じさせ、煙突状に上方に拡大した可能性がある」などとした。
 今後については「現時点では、陥没・空洞事象が形成された要因の特定には至っていない」とし、引き続き残る現地調査や検証を早期に実施、陥没などの発生メカニズムを特定する方針だ。

提供:建通新聞社