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2020/12/23

中高層建築の木材利用促進など提言 JAPIC

 日本プロジェクト産業協議会(JAPIC、会長・進藤孝生日本製鉄会長)は12月22日、林業の成長産業化や国産材の需要拡大などに関する政策提言を林野庁に行った。国産材の需要拡大では、中高層建築でのさらなる木材利用や、木材(丸太)による地盤や堤防の強化などを提言した。同日、JAPIC森林再生事業化委員会の酒井秀夫委員長らが林野庁を訪れ、本郷浩二長官に提言書を手渡した。
 5年を計画期間とする現在の国の「森林・林業基本計画」が2021年度に最終年度を迎えるため、次期計画をにらみ提言を行った。
 提言の柱は@主伐後の再造林を確保できる苗木供給体制の整備など林業の成長産業化A林業従事者の多様な生活スタイルと働き方改革B林業DX(デジタルトランスフォーメーション)への変革C国産材の需要拡大―。
 需要拡大策のうち建築での木材利用の推進では、建物の木造化・木質化による低炭素都市の早期実現や、SDGs(持続可能な開発目標)の観点での良質な民間プロジェクトの推進、木材利用技術の開発などを提言した。
 都市部の中高層建築への木材利用に関して、森林更新や炭素貯蔵効果の定量化やクレジット制度の適用について研究を推進すべきとした。
 また、木材(丸太)による地盤強化は、間伐材などの未利用材を地盤に打設し、建物を支える地盤や堤防・護岸の強化や液状化対策、軟弱地盤対策などを講じるもの。国土強靱(きょうじん)化と、炭素貯蔵による気候変動緩和を同時に実現する。
 需要拡大策ではこのほか、効率的に熱利用を行う地域分散型の木質バイオマス利用や、木質バイオマス利用での木質燃料の品質評価の普及などを提言した。
 林業DXへの変革では、航空測量によって整備された森林基盤情報と需要情報を連携する仕組みを、市町村や林業事業体、流通事業者、加工業者などを中心に構築する。また、日本の国土に適した林業の自動化や無人化など林業機械の開発を促進すべきとした。

提供:建通新聞社