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中央ニュース

2021/01/20

事業促進PPP 受注インセンティブ向上

 国土交通省は、発注者の業務の一部を民間委託する「事業促進PPP」の運用改善を検討している。直轄事業で事業促進PPPを導入する実績が伸びている反面、入札不調も増加しているため、受注制限の緩和や実績評価によって、受注者のインセンティブを高める。事業促進PPPの契約金額の平均がその他の業務の2・6倍に上ることから、管理技術者に求めている「手持ち業務量」の金額制限緩和も検討する。
 事業促進PPPでは、発注者の職員が担う測量・設計業務の指導、地元住民との調整、事業管理などを民間に委託し、発注関係事務を官民の技術者が一体で行う。東日本大震災の復興道路・復興支援道路の早期開通に効果を発揮したことから、現在は平常時の大規模事業にも導入されている。
 直轄事業では、12年度に22件だった実施件数が19年度には5倍の114件まで増加したが、近年は入札不調も増加している。国交省は、不調が増加している背景に事業促進PPPに参画した企業が工区内の受注を制限されたり、技術者の常駐・専任を求められることにあるとみている。
 関東地方整備局では、事業促進PPPの受注者の工区内の業務の受注を認めたり、技術者の常駐・専任を緩和するなど、受注者のインセンティブを高める対策を20年度に実施。この対策が入札不調の抑制につながっているとして、その他の地整でも実施することを検討している。
 また、事業促進PPPの契約金額が平均1億2000万円に上ることから、管理技術者の手持ち業務量の緩和も検討する。
 管理技術者の手持ち業務量は、総額4億円程度・10件程度を基本に各地整で定めているが、事業促進PPPの管理技術者はこの金額制限の上限に達しやすくなっている。事業促進PPP以外の契約額の平均も、上昇傾向にあることから、手持ち業務量の金額制限の上限を引き上げることを検討する。

提供:建通新聞社