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2021/04/07

自治体16団体に歩切りの疑い

 国土交通省が行った2月時点の調査で、設計書金額を根拠なく減額して予定価格とする「歩切り」を行っている疑いのある地方自治体が、16団体あることが分かった。同省は2016年4月までに全ての自治体で歩切りが根絶されたことを確認していたが、5年ぶりに行った調査で再び歩切りを行っている自治体が発覚。同省は、これら16団体に対して速やかに事実確認を行い、歩切りの廃止を求めるとしている。
 適正な積算に基づく設計書金額の一部を控除して予定価格とする歩切りは、国交省が15年1月に行った調査で、全国1788団体の25・7%に当たる459団体が「慣例、自治体財政の健全化のために行っている」と回答。この他に予定価格の漏えいを防止するために設計書金額の端数を切り下げる「端数処理」を行っていると回答した自治体も297団体あった。
 品確法では、適切に作成した仕様書・設計書に基づいて積算し、適正に予定価格を設定することを発注者の責務と定めており、国交省は総務省と連名でこれらの自治体に歩切りを取り止めるよう要請。歩切りを行っていた自治体の首長に直接要請するなどして、16年4月までに歩切りが根絶したとしていた。
 ただ、その後も全国中小建設業協会(土志田領司会長)などから、一部の自治体が依然として歩切りを行っているといった指摘があったことを踏まえ、今年2月に5年ぶりに調査を実施。全ての都道府県・市区町村を対象に調査した結果、16団体から歩切りを行っている疑いのある回答があったという。

提供:建通新聞社