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2021/04/27

入契全般の改善支援 葛城市で初の試み 

 国土交通省は、地方自治体の入札契約制度改善に関わる取り組みを支援する「入札契約改善推進事業」で、支援先として奈良県葛城市を選定した。同市は入札契約全般の改善を計画。国交省では5〜6月に専門家(入札契約改善推進事業支援者)を公募・選定し、7月から支援を始める予定だ。入札契約全般の改善支援は初の試みとなる。2021年度の案件募集は同市と、先行する岡山県の2件で終了となるが、入札契約改善の相談は随時受け付けている。
 葛城市では、予定価格・最低制限価格、指名業者を事前に公表しているため、くじ引きでの落札者決定が常態化。入札担当課に技術職員が配置されていないため、工事検査も事業課の技術職員に依存しており、工事成績を入札参加者に適切に反映させることができていないという。
 さらに、債務負担行為などの適切な予算措置のないまま、繰り越しを前提として極端に短い工期で年度末に発注を行うケースが散見。一方で、議会から入札監視委員会の設置をはじめとする入札制度の改革、建設業界からは担い手3法に沿った適切な発注が求められるといった課題を抱えている。
 これらの課題について、▽適正な予定価格の設定▽ダンピング対策▽総合評価・多様な入札契約方式▽施工に必要な工期の確保▽施工時期の平準化▽技能労働者の育成―の観点から解決を図る。
 具体的には、入札契約カルテなどを作成し、各対策の進み具合を見える化する。進み具合を踏まえ、別に勉強会も設置し、改善策を検討していくことになる。
 葛城市の人口は3万〜4万人、技術職員数は約20人。人口(10万人未満)、技術職員数、建設事業費など、同程度の行政規模の市町村は全国に多数あることから、国交省は「汎用(はんよう)性が高い」と判断。「改善事例は奈良県内だけでなく、全国の多くの市町村の参考になるはず」と期待を込める。
 先行する岡山県では、ダンピング対策を中心とした改善策を検討する予定。5月末に専門家を選定し、6月から支援を始める。

提供:建通新聞社