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2021/07/22

熱海土石流の早期復旧を代行 国交省

 国土交通省は7月20日、静岡県熱海市で発生した土石流災害の早期復旧に向け、国直轄による緊急砂防工事に着手したことを発表した。当面は、新たな土石流災害を防ぐため、源頭部や危険箇所にワイヤーセンサーやGPS観測装置を設置。併せて、調査や設計を進めるとともに、既設堰堤の除石、仮設ブロック堰堤の設置、本格的な砂防堰堤の新設などを進める。15日に静岡県の川勝平太知事が赤羽一嘉国交相に直轄施工を要請。これを受けて中部地方整備局が20日から着手した。国が砂防事業で災害復旧を代行するのは、2019年の東日本台風で被災した宮城丸森町での対策以来2年ぶり。
 7月3日に熱海市で発生した土石流は、逢初川上流部の斜面崩壊を発生源として、約2`にわたり流下。死者18人、131棟の建物被害が生じた(7月19日時点)。この速やかな復旧には、無人化施工などの高度な技術を要することから、県が国に直轄施工を要請した。国としては、直轄砂防災害関連緊急事業として実施する。
 中部地整はまず、2次災害を防ぐため、センサーなどにより危険箇所や源頭部の監視体制を強化。並行して、本格的な復旧や対策工事に向けた調査・設計を進める。
 本格的な復旧に向けてはまず、二次災害を引き起こす可能性がある源頭部の一部土砂の撤去を計画。加えて、既設の砂防堰堤(県管理・約4000立方b)に溜まった土砂を除石し、機能回復を図るとともに、その下流部に仮設のブロック堰堤を設置する。これらの対策を優先して進めながら、最終的には、今回の災害などを踏まえた、新たな砂防堰堤を整備する方針だ。今後の調査では、これらの対策に必要な作業用道路の整備なども検討する。
 中部地方整備局は、整備スケジュールや、堰堤の計画規模について、「今後の調査次第」として明言を避けたものの、「できる限りスピード感を持って進めたい」と説明。21日付けで現地に近い県熱海土木事務所に「熱海緊急砂防対策チーム」を設置すること明らかにした。

提供:建通新聞社