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中央ニュース

2021/11/10

賃上げ企業 政府調達で優先

 政府の「新しい資本主義実現会議」は11月8日、経済対策の策定に向けた緊急提言をまとめた。岸田内閣が掲げる「成長と分配の好循環」を実現するため、成長戦略によって生産性が向上し、その成果が賃金によって国民に分配されるよう、あらゆる政策を総動員するよう求めた。分配戦略では、政府調達で賃上げを行った企業を優先的に選定する考えも示した。
 成長戦略では、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーを最大限に導入。再エネ普及のための送電網の整備を加速する海底直流送電線の調査、再エネの出力変動に対応する蓄電池の整備などへの支援を求めた。
 既存住宅の省エネリフォームへの低利融資制度創設も要請。木造建築物に対する構造計算の規制や防火規制を緩和する関連法案も次期通常国会に提出するとした。
 防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策に基づき、水害対策、大規模地震対策、インフラの老朽化対策などを推進。物流効率化や地域交通の安定化につながる道路ネットワークも整備する。
 一方の分配戦略では、賃上げに積極的な企業への税制支援を強化。継続雇用者の1人当たり給与の増加や全雇用者の給与総額の増加を要件として、賃上げに積極的な企業に対する税額控除の率の引き上げを求めた。赤字の中小企業も賃上げできるよう、賃上げを補助金の要件に追加することも要請した。さらに政府調達の対象となる企業に賃上げを促すよう、政府調達の見直しも提言。物品だけでなく、公共事業も含めた評価手法を検討する。
 政府は、今回の緊急提言を踏まえて経済対策をまとめ、19日にも閣議決定する。その後、経済対策の財源となる2021年度補正予算案を編成し、年内に成立させたい考えだ。

提供:建通新聞社