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2022/01/14

「賃金引き上げた」 3・5ポイント増

 国土交通省が実施した「2021年度下請取引等実態調査」によると、技能労働者の賃金水準を「引き上げた(予定含む)」とした回答は全体の82・8%となった=グラフ参照。前年度と比べ3・5ポイント増加し、前年度の減少から再び増加に転じた。今回の調査で設問に新たに追加した約束手形の関連では、手形期間を「60日以内(予定・検討中含む)としている」とする答えが73・8%だった。
 調査は、元請け・下請け間の取引の適正化を目的に毎年実施しており、今回は許可業者1万8000者に調査票を送り、1万4338者が回答した。建設業法の指導対象となる29項目の全てで適正な対応を行っていた回答者は全体の10・8%となり、過去最高を更新した昨年度の10・9%に次ぎ、2番目に高かった。不適正な取引を確認した業者にはすでに指導票を送り、是正措置を求めた。
 技能者の賃金水準引き上げに関する設問は、公共工事設計労務単価を全国全職種平均で15・1%引き上げた13年度に追加した。「賃金水準を引き上げた」とする回答は年々増加。19年度に83・9%に達したが、20年度に79・3%と初めて減少。今回再び増加した形だ。
 賃金を引き上げた理由は、「建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用などで、技能労働者の技能と経験に応じて給与を引き上げ、技能労働者の処遇を改善する必要があると考えた」が39・4%と最も多かった。以下、「業界全体の発展に必要」が37・3%、「引き上げなければ労働者を確保できない」が36・7%で続いた。
 一方、21年度調査で初めて回答を求めた約束手形の時間短縮の状況については、手形期間を「60日以内としている(予定・検討中含む)」とした回答が73・8%に上った。一方、「60日以内とする予定はない」が26・2%あった。予定はないとした理由では「慣例となっている」が最多(47・7%)。下請け代金の支払いでの手形期間について中小企業庁は60日以内とするよう要請している。
 この他、法定福利費を内訳明示した標準見積書の活用を「全ての下請契約で働き掛けている」とした回答者は全体の50・4%となった。前年度の調査より1ポイント増え、調査開始後初めて半数を超えた。
 工期については、下請けから変更交渉があった際に「工期変更を認めている」との回答が94・7%だった。
 完全週休2日制(4週8休)を採用している業者は全体の33・6%となり、前年度比で2・5ポイント上昇。4週7休は8・6%、4週6休は37・9%、4週5休は7・6%、4週4休は11・8%、4週3休以下は0・4%となっている。

提供:建通新聞社