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中央ニュース

2022/08/02

業務のダンピング対策 導入促進へ見える化

 国土交通省は、測量やコンサルタントなどの業務(4業種)のダンピング対策について、都道府県別に管内市区町村での実施割合をまとめた。香川県管内で未導入の市町村が8割を超えるなど、未導入の割合が高い団体が目立った。管内全ての自治体がダンピング対策を導入していたのは石川県と長崎県の2県だけだった。自治体別の状況を色分けした地図もホームページで公開した。国交省では、導入が遅れている市区町村にダンピング対策を導入するよう促していく。
 管内自治体での未導入の割合が最も高かったのは香川県で82・4%。以下、愛媛県が75・0%、大分県が72・2%、岐阜県が71・4%、和歌山県が70・0%で続いた=表参照。
 一方、ダンピング対策の導入が最も進んでいたのは、石川県と長崎県の2県で、それぞれ管内全ての自治体がダンピング対策を導入していた。この他、三重県は未導入率6・9%と唯一の1桁台。広島県(13・0%)と鹿児島県(18・6%)の2県は10%台と未導入の自治体が比較的少なかった。
 今回の公表内容は「2021年度の業務関する運用指針調査」(すでに調査結果を4月に公表済み)に基づくもの。業務のダンピング対策を実施しているかどうかの目安として、全国の自治体の発注業務で、低入札価格調査基準制度または最低制限価格制度の導入状況を調べた。
 測量、建築コンサルタント、土木コンサルタント、地質調査の4業種全てで「低入札価格調査基準制度または最低制限価格制度が未導入」の自治体を集計。国や都道府県で導入が進む一方、市区町村では全団体(1741団体)の約半数、853団体が未導入だった。
 国交省ではダンピング対策の導入を促すため、未導入の自治体名を明かす取り組み「見える化」を4月時点で実施。今回はさらに、都道府県別に各管内市区町村のダンピング対策の導入状況を数値化、地図上で色分けもし、一目で未導入の自治体を判別できるようにした。
 ダンピング受注は、業務の手抜き、下請けへのしわ寄せ、賃金条件の悪化、安全対策の不徹底につながりやすく、業務の品質確保に支障をきたす恐れがある。担い手確保の取り組みにも逆行するため、国交省では自治体発注の業務でもダンピング受注防止への働きかけを強めるとしている。

提供:建通新聞社