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2022/12/21

リニア静岡工区 環境保全の論点まとまる

 国土交通省は、「沢の水生生物等」「高標高部の植生」「地上部分の改変箇所における環境」への影響などを踏まえて、リニア中央新幹線静岡工区の環境保全を議論することにした。論点案をまとめ、JR東海に対して必要なデータの提示や資料作成を行うよう指示した。
 沢の水生生物等と高標高部の植生については、トンネル掘削に伴う地下水変化による影響を分析する。さらに沢の水生生物等では、生息状況を整理し、沢ごとに影響評価(沢のカルテ作成)を行う。高標高部の植生は、水分の供給経路を把握した上で、生育場の類型ごとに植生への影響をまとめる。
 地上部の改変箇所では、作業ヤードから放流する湧水が環境に与える影響を分析する。水質・水温を踏まえた湧水の処理方法や水質管理値も検討しておく。掘削土の置き場所での地上改変が環境に与える影響も分析することとした。
 国交省が12月20日に有識者会議を開き論点案を提示した。有識者からは、環境への影響を考えるためには、沢の流量変化だけでなく沢の地形も調べる必要があるといった意見が出た。
 リニア中央新幹線は、JR東海が2027年の開業を目指している一方で、静岡県は南アルプスの生態系への影響などを懸念し、県内の着工を認めていない。

提供:建通新聞社