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中央ニュース

2023/07/05

建設法令ガイドライン 改正し下請振興明示

 国土交通省は、中小企業の育成・振興の支援法となる下請中小企業振興法と、それに基づく振興基準を、「建設業法令遵守ガイドライン」と「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」に初めて明示した。資材コストの上昇分の円滑な価格転嫁へ、受発注者・元下間だけでなく、資材業者なども含めたサプライチェーン全体での適切な取引関係の構築を目指す。地方整備局をはじめ、各都道府県、主要建設業団体、民間発注者らに周知した。
 両ガイドラインは、建設企業が順守すべき元請けと下請けの取引ルールなどを国交省がまとめたもの。ことし4月に公正取引委員会が下請中小企業振興法と振興基準に示す、取引慣行の改善事項への配慮を徹底することが重要としたことを受け、ガイドラインに反映した。政府の新しい資本主義の実現に向けて、価格転嫁を円滑にし賃上げにつなげる取り組みが急がれる。
 下請中小企業振興法と振興基準では、対価の決定方法や下請け代金の支払い方法の改善、働き方改革の促進を阻害する取引慣行の改善などへの配慮を徹底することが重要であるとしている=主な改善事項は表参照。
 円滑な価格転嫁に向けて公正取引委員会ではこの他、3月に「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」を改正し、法律上問題となり得る取引価格の据え置きの考え方も示した。
 建設工事では、資材コストの上昇分を価格に反映するための協議を行わなかったり、下請けが価格の引き上げを求めたにもかかわらず、転嫁しない利用を書面や電子メールで回答せず、価格を据え置いたりする、こうした2ケースについて、独占禁止法上の優越的地位の濫用の要件の一つに該当する恐れがあるとした。
 併せて、労務費や原材料費の上昇分を中小企業が円滑に価格転嫁できる取引関係の構築を、約1600の事業者団体に要請。発注側の企業に価格転嫁に向けた協議の場を積極的に設けるよう求めた。法に反する取引関係が見られる業種として「総合工事業」をはじめ27業種を挙げ、適正化の取り組み状況を今秋に調査するともしている。
 ガイドラインの改正では、独占禁止法上の優越的地位の濫用の要件の一つに該当する恐れがある上記の2ケースについても明記した。

提供:建通新聞社