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2023/11/01

長時間労働削減へ要請書 11月にキャンペーン実施

 厚生労働省は、日本建設業連合会を含む主要な経営者団体に対し、長時間労働の削減を求める要請書を武見敬三厚労相名で発出した。建設業は運輸業とともに、過労による脳・心臓疾患の多い業種とされる。2024年4月には時間外労働の罰則付き上限規制が適用されることから、11月の過重労働解消キャンペーンに合わせて積極的な取り組みを促す。
 要請書では、長時間労働を前提とした労働慣行からの脱却とともに、年次有給休暇を取得しやすい雰囲気の醸成を求めている。具体例には▽経営トップによるメッセージ▽勤務間インターバル制度やフレックスタイム制、年次有給休暇の計画的付与制度の導入▽ノー残業デーの設定―などを挙げた。
 その上で、時間外労働の上限規制が適用される建設業などに対しては、対応へ着実な準備を要請。工事の発注者側に対しては、適正な工期設定を考慮するよう求めた。
 さらに、自社の働き方改革が、下請け中小事業者に対する短納期発注や、発注内用のひんぱんな変更といった形でしわ寄せにならないよう、取引で配慮するよう促した。特に、中小企業が賃上げの原資を確保できるよう、労務費やエネルギーコスト、原材料費を適切に転嫁することも必要だとした。
 今年4月から中小企業にも適用された、月60時間超の時間外労働に対する割増し賃金率の引き上げについて、適正に対応することも求めた。
 厚労省では、11月を過労死等防止啓発月間に位置付け、1〜30日の1カ月間にわたって過重労働解消キャンペーンを実施する。都道府県労働局長が管内のベストプラクティス企業と意見交換を行う他、長時間労働が疑われる事業場に対しては重点的な監督指導を行う。過重労働解消のためのセミナー、シンポジウムなども全国で開く。

提供:建通新聞社